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放射線治療部門



放射線治療とは、手術・化学療法(抗がん剤治療)と並ぶがん治療の3本柱の1つであり、放射線をがん細胞に照射しDNAにダメージを与えることでがんを治す治療法です。がんを切らずに治し、臓器の機能を温存できることが放射線治療の特徴です。

当院では、中央診療棟地下1階および喜谷記念がん治療センター(東棟)1階において、3台の外部放射線治療装置を有しており、強度変調放射線治療(Intensity-Modulated Radiation Therapy : IMRT)や定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy : SRT)といった高精度放射線治療に積極的に取り組んでいます。また、Co-60を線源とする密封小線源治療装置(Remote Afterloading System:RALS)1台が稼働しています。

リニアック

リニアックは直線加速器(Linear Accelerator:Linac)とも呼ばれる汎用型の放射線治療装置です。当院のリニアックは小さながん病巣へのピンポイント照射である定位放射線治療(SRT)、照射する放射線の強度を変化させることでより複雑な病巣に照射が可能な強度変調放射線治療(IMRT)、さらに装置が回転しながら放射線の強度を変化させて照射を行う強度変調回転照射(Volumetric-Modulated Arc Therapy:VMAT)など、精密かつ幅広い治療を行っています。

X線画像誘導システムにより、放射線治療室の床に埋め込まれた2つのX線撮影装置を用いて2方向からX線撮影を行い体の位置ずれを計算し、ロボティックス寝台を用いて位置ずれに対して頭尾方向、左右方向、高さ方向のみならず回転のずれを含めた6軸方向から補正を行うことで精密な位置合わせが可能です。当院では、このX線画像誘導システムやCT画像などの放射線画像により位置の照合・修正を行う画像誘導放射線治療(Image-Guided Radiotherapy:IGRT)を必要に応じて用い、正確な放射線治療を提供しています。

呼吸により大きな動きがある病巣に対しては、一定の呼吸相に合わせて放射線を照射する呼吸同期照射を行うことが可能です。この技術により、放射線を当てる範囲を病巣だけに限定でき、正常組織の副作用を減らすことができます。また、左乳がんの乳房温存術後の乳房に対する放射線治療において、深吸気息止め(Deep Inspiration Breath Hold:DIBH)照射を行っています。左乳房は心臓が近いため、深吸気息止めにて照射を行うことで心臓への線量を抑え、副作用を低減することが可能です。

リニアック(Varian Medical Systems)

稼働している装置
・TrueBeam(Varian Medical Systems)

トモセラピー

トモセラピーはCT装置の原理を応用した強度変調放射線治療(IMRT)の専用装置で、毎回の治療前にCT画像を撮像し、がん病巣や正常組織の位置の照合・修正を行ったうえで照射を行います。これを画像誘導放射線治療(IGRT)といい、精密に位置合わせが可能となります。トモセラピーでは体の周りの360度方向から螺旋状に放射線を照射することにより、複雑な形状のがん病巣に対しても形状に合わせて集中的に照射することができ、がん病巣には十分な線量を当てながら正常組織の線量を低減することが可能です。

当院では、アジアで初めて導入した(平成29年当時)トモセラピーを含め2台のトモセラピーを有しており、全身の様々な部位に対して高精度放射線治療を積極的に行っています。

トモセラピー(Accuray)

トモセラピー(Accuray)

稼働している装置
・Radixact(Accuray)
・TomoHDA(Accuray)

密封小線源治療装置(RALS)

密封小線源治療装置(RALS)は放射性同位元素から発生するガンマ線を用いて体内からがん病巣に放射線を照射します(内部照射)。当院では、放射性同位元素にCo-60線源を用いた腔内照射を行っており、体内にアプリケータという金属の器具を挿入しそのアプリケータ内に線源を停留させることで治療を行います。主に子宮がんや膣がんに対する治療を行っています。

RALS(BEBIG)

稼働している装置
・Multi Source(BEBIG)