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核医学検査部門



核医学検査は、目的の臓器に応じた放射性同位元素(RI:Radio Isotope)を利用した放射性医薬品を投与して行います。
RIは微量な放射線を放出する元素であり、投与された放射性医薬品が目的とする臓器や組織に集まります。
そこから放出される放射線を撮像装置にて体外から検出することにより画像化します。
CT検査やMRI検査では主に形態情報を評価するのに対して、核医学検査では血流や代謝などの機能情報を評価します。
使用する放射性医薬品により放射線の性質が異なるため、最適な検出方法を有した撮像装置によって検査を行います。
当院では、中央診療棟2階においてSPECT-CT装置を2台、および救急災害医療センター地下1階においてPET-CT装置を1台備えており、日々の診療で稼働しています。
SPECT装置、PET装置ともにCT装置と一体化したものを有し、互いの画像の重ね合わせ(Fusion)により、CT画像がもつ形態情報に加えて、SPECT画像、PET画像による血流や代謝変化などの機能情報を併せもった再構成画像を取得することが可能です。

SPECT-CT装置

骨シンチグラフィ
〈左〉全身SPECT画像 〈真中〉CT画像 〈右〉SPECT-CT画像

SPECT-CT装置はガンマカメラによって、目的とする臓器や組織に集まった放射性医薬品から発生するガンマ線を検出することにより撮像を行います。ガンマカメラが体の周りを回転して撮像するSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像によって、CTやMRIと同様な断層像を得ることもできます。令和7年2月より稼働を開始したSPECT-CT装置では、CT画像本来の高分解能情報を活用することで、従来の装置より高精度な画像再構成を実現します。また、本装置ではCT撮影における放射線量を低く抑えることの出来るスズフィルターを採用しています。画像化に寄与しない放射線の低エネルギー成分を除去することで、画質を劣化させることなく被ばく線量を低減させることが可能になりました。
検査対象部位は骨・脳・心臓・腫瘍・腎臓・甲状腺・肺など多岐にわたり、目的とする臓器や組織により異なる放射性医薬品を利用します。このため検査時間は検査内容により異なります。

SPECT-CT (SIEMENS)

SPECT-CT(SIEMENS)


稼働している装置
・SPECT-CT Symbia Intevo 2 (SIEMENS)
・SPECT-CT Symbia Pro.specta X3 (SIEMENS)

PET-CT装置

FDG-PET
〈左〉全身PET画像 〈右上〉CT画像 〈右下〉PET-CT画像

PET-CT装置では目的とする臓器や組織に集まった放射性医薬品から発生する陽電子の対消滅によるガンマ線を検出することにより撮像を行います。カメラはリング状の構造となっており、PET(Positron Emission Tomography)画像によってCTやMRIと同様な断層像を得ることもできます。令和8年6月の救急災害医療センターの開棟に合わせて稼働を開始したPET-CT装置では、ガンマ線の発生位置をより正確に捉えられることにより、微細な病変の視認性が向上しています。また、呼吸により大きな動きがあるターゲットには、外部装置を取り付けることなく呼吸によるボケを計算し画像再構成することで、ブレの少ない正確な位置での描出を可能にします。
検査ではおもにブドウ糖が多く集まる性質を利用した「¹⁸F-FDG」という放射性医薬品を使用します。腫瘍などの病変部は正常な組織に比べてブドウ糖を多く消費する特徴があります。FDG-PET検査ではFDGの集まり具合を画像化することで、全身の病変の位置や広がり、再発・転移の有無などを一度に評価することができます。
FDG-PET検査における撮像時間はおよそ30分です。しかしながら、放射性医薬品を投与してから目的とする臓器や組織に集まるまでに1時間ほど要し、その他問診や撮像後の回復時間を含めると、検査時間は全体で2時間半となります。検査当日にはスケジュールに余裕をもってお越しください。
また、目的や病態に応じた多様なPET検査に対応しており、認知症診断において重要な役割を果たすアミロイドPET検査も実施しています。これは、アルツハイマー病の原因物質とされる脳内のアミロイドβ(ベータ)蛋白の蓄積の程度を可視化する検査です。早期診断や治療方針の決定に寄与する情報を提供しています。

稼働している装置
・PET-CT Biograph Vision.X (SIEMENS)

核医学治療(内用療法)

RIを含む放射性医薬品を用いて病変部を体内から直接治療する核医学治療(内用療法)にも取り組んでいます。
病気の種類や病態に合わせ治療を実施しており、α線を用いた骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの治療、β線を用いたバセドウ病の治療や遠隔転移のない分化型甲状腺癌で甲状腺摘出後の残存甲状腺破壊(アブレーション)治療を行っています。またβ線を用いたソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍(NET)に対するPRRT(Peptide Receptor Radionuclide Therapy)治療(製品名:ルタテラ®)も積極的に取り組んでおります。→ ルタテラ®治療の詳細についてはこちら
内用療法は、正常な組織への影響を抑えながら放射線により病変部を選択的に治療できる方法として、日々の診療に役立てています。