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臨床心理室



臨床心理室のご紹介

 臨床心理室では、患者さまとそのご家族が抱えているこころの問題について、公認心理師・臨床心理士がお話を丁寧にお伺いしながら、相談された方がより自分らしい生活が送れるようお手伝いをさせていただくことを業務として行っております。

臨床心理室について

〇臨床心理室とは
 臨床心理室は、メディカルスタッフが所属する診療技術部の一部署で、他部門と連携しながら病院内外のこころの問題に関する幅広い業務を担っています。当部署には、こころの問題に取り組む専門職である公認心理師・臨床心理士が11名(うち心理技術補佐員が3名)所属しています。

〇公認心理師・臨床心理士とは
医療におけるこころの問題に対応する専門資格としては、公認心理師と臨床心理士という大きく二つの資格があります。その歴史は、1988年に臨床心理士が公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会認定資格として資格化されたことに始まります。その後、2017年9月に公認心理師という新たな名称で、わが国で初めて国家資格化されました。当部署のスタッフは、両資格を取得しております。

〇心理技術補佐員とは
臨床心理室では、総合病院で公認心理師・臨床心理士として医療心理に関する活動ができる人材育成を行っており、公認心理師・臨床心理士の受験資格を有する方の実務研修を受け入れております。当院では、心理技術補佐員という立場で実務研修を行いながら、資格取得を目指しています。

スタッフ紹介

(令和5年4月1日現在)
名前 専門領域
伊藤 嘉規 サイコオンコロジー、緩和ケア
コンサルテーション・リエゾン精神医学
松原 弘和 認知行動療法(肥満症、小児疾患)
心理査定
渡邊 和佳子 認知行動療法(不安障害、気分障害)
不育症・不妊症心理相談、心理検査
長野 恭子 認知行動療法
コンサルテーション・リエゾン精神医学
下牧 敦子 心理査定、不育症・不妊症心理相談
学校臨床心理学
三宅 康子 グリーフケア、緩和ケア
心理査定
古山 絢菜
(心理技術補佐員)
臨床心理学
心理査定
淺野菜摘
(心理技術補佐員)
臨床心理学
心理査定
大利 風歌
(心理技術補佐員)
臨床心理学
心理査定
小島 菜々子
(西部医療センター)
サイコオンコロジー、緩和ケア
不育症・不妊症心理相談、心理査定
柴田 はるか
(みらい光生病院)
認知行動療法(摂食障害)
心理査定、学生相談

臨床心理室の取り組み   

 臨床心理室の活動は、専門外来での心理療法、チーム医療への参画、心理検査を行っています。また、院外組織とも連絡を図り、学内や地域貢献も行っています。

〇専門外来での心理療法
1. 緩和ケア外来
 がんの罹患やその治療に伴い、身体的、精神・心理的苦痛を経験することが知られています。当部署の心理師が、病期にかかわらず、苦悩を抱える患者さまとその家族へ心理的支援を行っています。

2. グリーフケア外来
 グリーフとは、日本語で「かなしみ」を意味します。大切なひととの喪失体験で苦悩されているかたへ、カウンセリングの場を提供しています。必要に応じて、当院こころの医療センターとも連携を図っており、ご遺族がよりよい生活が送れるようこころのケアを行っています。
・グリーフケア外来をご希望の方はこちら

3. 不育症カウンセリング
 不育症で悩んでおられる方は、流産や死産を繰り返すことで、お気持ちのつらさを強く感じている方が多くいらっしゃいます。こうした負担が続くと、「ご自分を繰り返し責めてしまう」、「無気力な状態が続く」、「『次も流産してしまったらどうしよう』という不安にとらわれてしまう」などの症状がでて、自分らしい生活を見えにくくすることがあります。また、非常にプライベートな話題のため周囲の方につらいお気持ちを話すことができず、大きな孤独の中にいるように感じることもあります。
 当院婦人科で不育症治療を受けておられる患者さまにカウンセリングを行っています。不育症で悩み、お気持ちのつらさを打ち明けてみたいという方は、産婦人科主治医にご相談ください。
・当院に不育症で通院しており、心のケアをご希望の方はこちら

4. 産前・産後の心のケア外来
妊娠中の不安や産後の不調、子育てに関する様々な悩みから生じるお気持ちの辛さについて、専門の心理師がお話をお聴きします。一緒にお気持ちの整理をして、より自分らしいマタニティライフや子育てが出来るようサポートしています。
・産前産後の心のケア外来をご希望の方はこちら

5.摂食障害カウンセリング
 当院こころの医療センターで摂食障害の治療を受けておられる患者さまに、CBT-E(Enhanced Cognitive Behavior Therapy)などの認知行動療法を基盤とした心理療法を行っています。

6. 小児特定疾患カウンセリング
 不登校やチック症、緘黙症、ストレスに伴う症状などで、当院小児科通院中の患者さまにカウンセリングを行っています。患者さまやその家族、必要に応じて学校と連携しながら問題解決に取り組んでいます。

7. 肥満症への行動療法
 肥満症治療で受診される患者さまに行動変容を目的とした行動療法を行っています。患者さまが健康的な生活習慣を身につけ、減量を進め、減量を維持する支援を行っています。
〇チーム医療への参画
1. 緩和ケアチーム・サイコオンコロジーチーム
 がんなどの身体疾患のために入院、または通院中の患者さまやそのご家族への心理的なサポートに従事しています。ご病気の治療を受けながら生活ができるよう支援を行っています。当院では、精神腫瘍医、心理師、緩和ケア医、がん専門看護師、薬剤師、理学療法士、栄養管理士がチームで連携を図りながら支援を提供しています。

回診時の様子

2. 総合周産期母子医療センター
 妊婦さんが抱える出産前の不安や出産後のご家族のお子さまに関する心配などのお話をお伺いし、産婦人科医、小児科医、助産婦、看護師などと連携しながらチーム医療の一員として不安が軽減するよう努め、赤ちゃんとそのご家族が安心して生活していけるよう支援を行っています。

カンファレンスの様子

3. せん妄・認知症ケアチーム
 せん妄・認知症ケアチームでは、入院された高齢の患者さまが安心して過ごすことができる療養環境の支援を行っています。精神科医、神経内科医、看護師、社会福祉士と連携を図りながら、チーム活動に参加しております。

4. こころの医療センター
 こころの医療センター入院中の患者さまへ集団精神療法を行っております。本プログラムは、精神科医、看護師と連携をはかり、週1回集団での活動に取り組み、新しい気付きを促す体験を提供しております。

2022年1月の作品

集団精神療法 準備風景

5. 肥満症治療センター
 減量手術目的で受診された患者さまに精神面や生活習慣についてお伺いします。手術前に健康的な生活習慣が身につき、患者様が安心して治療を受けられるように支援を行っています。内分泌・糖尿病内科医、消化器外科医、精神科医、管理栄養士などの多職種と連携してチームで減量治療に取り組んでいます。

心理面接(写真は模擬風景)

6. 医療メディエーター
 メディエーションとは、患者さまと医療者が向き合う場を設定し、対話を促進することを通して、関係再構築を支援するしくみです。医療メディエーター(医療対話仲介者)はあくまでも、当事者自身による自主的な対話を促進する役割で、当院の救急や集中治療を受けている患者さまやご家族においてメディエーターとしてコミュニケーションの支援を行っています。
7. いたみセンター
 当院のいたみセンターでは、麻酔科医、看護師、理学療法士、臨床心理士(公認心理師)がチームとなり、診療を行っております。
〇心理検査
 当院では診断補助や治療方針の決定、治療経過の症状評価の目的として、こころの医療センター、神経内科、小児科、リハビリテーション科などからの依頼を受け、各種心理検査を行っています。

心理検査の様子

心理検査の様子

〇院外組織との連携
1. 保健管理センター
 本学の保健管理センターは、学生や教職員の健康増進と疾病の予防、早期発見・治療、復学・復職支援を目的として、平成30年10月に新たに開設されました。当部署の心理師が学生を対象としたよろず相談に従事しております。

心理面接(写真は模擬風景)

2. 不育症・不妊症電話相談支援事業
 当院には名古屋市からの委託事業として、不育症専門電話相談窓口「豆柴ダイヤルが設置されており、当部署の心理師が相談員として電話相談対応をしています。不妊に悩む女性とそのご家族、妊娠後に流産や死産を繰り返す不育症に悩む女性とそのご家族に対し、正しい知識の普及と心理的サポートの提供を行っています。

電話相談の様子

不育症不妊症電話相談窓口 ポスター

3. 医療心理センター臨床心理相談室
 本学の医療心理センターは、人間文化研究科、医学研究科、医学附属病院、看護学研究科が連携し、平成29年4月に設置されました。センターでは、心理に関する臨床・研究・教育を行っており、当部署は医学部附属病院として連携を行っております。