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がん診療・包括ケアセンター


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「がん対策基本法」に基づき国で策定された「がん対策推進基本計画」(現在第3期:平成30年3月9日閣議決定)に則り、患者本位のがん医療を実現し、がん患者が尊厳を持って安心して暮らせるように、がん医療の充実をはかるとともに社会の中でがんとの共生を可能とするための支援を行っていくことが目的です。その目的の達成に向けて、多職種や多診療科によるがんの集学的治療と包括ケアの提供を目指して、2019年5月29日に新しい中央部門として、開設いたしました。 

センター長あいさつ

飯田 真介

我が国においては、寿命の延長にともない、がんと診断される患者数が年間約100万人に迫る時代になりました。二人に一人は生涯に一度はがんを経験し、年間40万人近い方ががんで亡くなられています。治癒可能ながんも増えていますし、治癒困難な場合も長期間にわたりがんと共生していくことが可能な時代になっています。名古屋市立大学病院では、がん患者さん一人一人に最適な医療を提供させていただくとともに、がん患者さんが治療を受けながらご自宅や社会の中で暮らしていただけるよう支援させていただくことを目的に、がん診療・包括ケアセンターを設立いたしました。

センターの紹介

がん診療・包括ケアセンターは同じ中央部門の5部門から構成されています。また、それ以外にも各診療科をはじめ、高精度放射線治療センター、低侵襲手術センター、内視鏡医療センターなど、多くの部門と連携をはかって、充実した医療の提供に努めます。


がん相談支援の強化

当センター開設にあたり、地域がん診療連携拠点病院に設置が義務付けられているがん相談支援室を2室に増やして相談内容を充実させていきます。
市民の皆様が気軽にがんと診断された時点から治療、療養生活や社会復帰、生殖機能の維持、アピアランス、抗がん剤治療中の栄養相談、医療費に関する不安などあらゆる相談に対応できる場所にしていきます。
一般的な相談は1階がん相談支援センターでMSW(メディカルソーシャルワーカー)など専門の相談員が対応いたします。
がん治療やケアに関する専門的な相談は東棟2階の当センターでがん医療の専門知識を備えた看護師が窓口となって対応させていただきます。また、必要に応じて、薬剤師や栄養士など各分野の専門職スタッフとの面談、臨床腫瘍外来、がんゲノム外来、緩和ケア外来や専門診療科外来の予約が可能です。

臨床腫瘍外来の設置と薬剤師外来の充実

臨床腫瘍外来は、がん医療の初診外来に相当します。がんに関する詳しい相談から始まり、必要に応じて各専門診療科や緩和ケア外来、いたみセンターやがんゲノム外来などへの橋渡し役を担います。不安を抱えてみえる患者さんを支援し、悩みを解決できるようにご提案させていただきます。
また薬剤師外来を充実させて、がんの薬物療法に関して、患者さんの生活指導や副作用に対する相談など安心して治療を受けていただけるような支援を行わせていただきます。

在宅療養の支援

ご自宅でがん患者さんが安心して過ごせるように、地域の医療機関と密に連携を取って安心して治療に臨んでいただけることができる治療計画(がん地域連携クリニカルパス)を充実させて在宅医療にシームレス(入院医療、外来通院、在宅医療へ段階的に移行するにあたっての継ぎ目のない治療)な提供体制を整えます。在宅で痛みなどのコントロールが困難な場合には、一時的に当院の緊急緩和ケア病棟に入院していただき、痛みのコントロールを行った上で、再びご自宅で安心して療養いただけるようにお手伝いさせていただきます。

がん薬物療法に伴う多職種・診療科横断的な支持療法チーム

近年のがん分子標的療法や免疫療法の副作用には、これまでの抗がん剤治療では見られなかった重篤な副作用があります。例えば、免疫チェックポイント阻害剤による内分泌異常や糖尿病、間質性肺炎、心筋炎、胃腸炎など、皆さんの主治医の先生の診療科だけでは対応が困難な副作用です。当センターの支持療法チームは、あらゆる診療科の医師や薬剤師などから構成されており、定期的なミーティングを開催しながら、想定される様々な副作用の発生時の対応法について方針を定めており、治療の副作用に対する診療科横断的な支持療法体制を確立しています。

分子標的薬

がん細胞で傷ついた遺伝子からつくられる、がん細胞の増殖する異常な性質の原因となっているタンパク質を攻撃する物質や抗体を、体の外から薬(分子標的薬)として投与することによって、正常細胞を傷つけないようにがんを治療する方法です。  【国立がん研究センターがん情報サービスより】

免疫療法

私たちの体は、体内で発生しているがん細胞を免疫により異物として判別し、排除しています。しかし、免疫が弱まった状態であったり、がん細胞が免疫から逃れる術を身につけて免疫にブレーキをかけることで免疫が弱まったりすることにより、がん細胞を異物として排除しきれないことがあります。免疫療法(広義)は、私たちの体の免疫を強めることにより、がん細胞を排除する治療法です。  【国立がん研究センターがん情報サービスより】

免疫チェックポイント阻害薬

私たちの体は免疫により異物を体から排除していますが、一方で、免疫が強くなりすぎると自己免疫疾患やアレルギーのような病気になるので、自らの免疫反応を自ら抑制する仕組みも備えています。この免疫を抑制する仕組みを利用して、がん細胞は免疫による監視から逃れていることがわかってきました。がん細胞は、細胞表面にタンパク質でできたアンテナを出して、免疫細胞(T細胞)の表面にある“免疫チェックポイント”という「異物を攻撃するな(免疫を抑制せよ)」と命令を受けとるタンパク質(受容体)に結合して偽のシグナルを送り、免疫細胞ががん細胞を攻撃しないようにします。 そこで、がん細胞が免疫チェックポイントに結合しないようにすれば、がん細胞の周囲にある免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくなるのではないか、という考えから“免疫チェックポイント阻害薬”が開発されました。免疫チェックポイントには、PD-1(T細胞の表面にある)やPD-L1(一部のがん細胞や一部の免疫細胞などの表面にある)、CTLA-4(T細胞の表面にある)などいくつかの種類があります。 現在、免疫チェックポイント阻害薬として国内で承認されているのは、一部のがんの種類に対してのみです。これらは、まだ承認されて間もない薬のため、どのような副作用がどのような状態の時に出るのかがわかっていないことから、慎重に使用されています。【国立がん研究センターがん情報サービスより】

希少がんや原発不明がん患者さんに対する治療支援

全てがんのうち、10〜15%を占める肉腫や神経内分泌がん、原発不明がんなど、いわゆる希少がんとよばれるがんに罹患された患者さんが「がん難民」とならないように、臨床腫瘍部を中心に病理診断やがんゲノム診断を含めてキャンサーボードを開催し、患者さん個々に最適な治療を提案させていただきます。AYA(adolescence and young adult)世代の患者さんには、就学・就業に関する支援や生殖機能の維持、晩期合併症への対応などの支援を行います。


キャンサーボード

複数の診療科や医師をはじめ薬剤師、看護師、検査技師、放射線技師、理学療法士、管理栄養士など様々な職種が一同に集まって開催される合同カンファレンス

AYA(adolescence and young adult)世代

小児は一般に0歳から14歳を指します。AYA世代は多くの場合、15歳から20歳代、30歳代を指します。

がんゲノム医療の充実

標準治療の効果が得られない患者さんや標準治療がない希少がんの患者さんを対象に、がんゲノム外来を窓口にしてがんの原因となっている遺伝子の異常を調べる遺伝子パネル検査についてのご相談を承っております。
遺伝子パネル検査を実施した結果、新たな治療法が見つかる可能性は決して高くはありませんが、有望な薬剤が見いだされた場合には保険診療での治療や治験施設の紹介、保険診療の適応外であれば患者申出療養制度の活用などの提案をさせていただきます。また、遺伝子パネル検査の結果から、特定のがんに罹りやすい体質があり且つ、子孫に受け継がれる可能性のあることが偶然発見されることがあります。そのような場合には遺伝カウンセリング外来で、専門の遺伝カウンセラーによるカウンセリングを受けていただくことで患者さんやご家族の不安を軽減できるようお手伝いさせていただきます。

高齢者にやさしいがん医療

ご高齢のがん患者さんが増加しており、合併症や身体機能、臓器機能、認知機能、栄養状態などがん以外の面で患者さんごとに大きな差があります。患者さんごとに包括的機能評価を行わせていただき、介護環境や居宅状況も考慮して、患者さんひとりひとりに最適な治療を選択していただけるように提案させていただく体制を充実させます。