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低侵襲手術センター


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センターの概要

ロボット支援手術で、多くの患者さんの治療に貢献できるよう低侵襲手術センターを設置しました。
低侵襲手術センターは、卓越した技術を持った診療科医師と麻酔科医、看護師、臨床工学技士で構成されており、ロボット支援手術を行う認定を受けた医師が手術を担当します。

センター長からのあいさつ

安井 孝周

私たちは、できるだけ精密で確実な手術を、より痛みが少ない方法で実現できないかといつも考えています。このような目標から傷が小さい内視鏡手術が可能となってきました。しかし、傷が小さくなっても、外科医の能力が向上しても、道具によって手術の進化は制約されます。手術支援ロボットが人間の能力を補い、外科医の能力をさらに向上させる手術が、「ロボット支援手術」です。
今後もロボット手術は、保険診療、先進医療など拡充が予想されます。そこで、ロボット手術に関する低侵襲手術センターを設置しました。本センターの目的は専門性を持ったスタッフが患者さんに正確でやさしい手術治療を提供することです。
名古屋市立大学病院は、ロボット支援手術で患者さんの治療に貢献していきます。

当院の実績

(2024年4月1日現在)
当院では、高度な低侵襲手術をより正確に行うことを可能にする手術支援ロボット(da Vinci ダ・ヴィンチ)の運用を2011年5月に開始し、2018年1月に最新機種 da Vinci Xiに更新、2020年8月にda Vinci Xi、2023年に国産の hinotoriを増設して患者さんの期待に応えてきました。
これまでに、2011年5月~2024年3月の間で、泌尿器科、消化器外科、呼吸器外科、産科婦人科、小児泌尿器科、耳鼻いんこう科の領域で約3,700例のロボット支援手術を行い、2023年4月~2024年3月の間で760例の実績があります。
1台あたりの手術件数が全国トップレベルとなったことから、2024年にda Vinci Xiをさらに加え、4台での運用に発展しています。手術までの期間が短くなり、より早くロボット手術を受けていただけるようになります。

スタッフ紹介

(2024年4月1日現在)
役職 氏名 所属部署
センター長 安井 孝周 泌尿器科
副センター長 奥田 勝裕 呼吸器外科(呼吸器外科学会ロボット支援手術プロクター)

各診療科のロボット支援手術対象疾患及び術式

(2024年4月1日現在)
診療科 対象疾患 術式
泌尿器科 腎がん 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術
(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)
(保険診療)
膀胱がん 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
前立腺がん 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術
(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)
(保険診療)
小児泌尿器科 膀胱尿管逆流 ロボット支援腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術(自費診療)
腎盂尿管移行部通過障害による水腎症 腹腔鏡下腎盂形成手術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
消化器・一般外科 胃がん 腹腔鏡下胃切除術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
腹腔鏡下噴門側胃切除術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
腹腔鏡下胃全摘術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
膵腫瘍 腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
肝腫瘤 腹腔鏡下肝部分切除(自費診療)
腹腔鏡下肝外側区域切除術(自費診療)
直腸がん 腹腔鏡下直腸切除・切断術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
呼吸器外科 肺がん 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
悪性縦隔腫瘍 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
良性縦隔腫瘍 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
重症筋無力症 胸腔鏡下拡大胸腺摘出術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
産科婦人科 初期子宮体がん 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
良性子宮腫瘍(子宮筋腫 子宮腺筋症など) 腹腔鏡下膣式子宮全摘術
(医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術)
(保険診療)
※医科点数表第2章第10部手術通則第18号に掲げる手術:内視鏡手術用支援機器を用いて行った場合を指す。

各診療科からのメッセージ

【泌尿器科】
泌尿器科では、前立腺がんに対して約850例のロボット支援手術を行い、全国でもトップクラスの実績を誇っています。さらには、腎がんに対する腎部分切除術や、膀胱がんに対する膀胱全摘術にも積極的に取り組んでいるほか、ロボット支援手術の教育病院として全国から多くの泌尿器科医師の指導を受け入れています。


【小児泌尿器科】
小児泌尿器科では、先天性泌尿器科疾患に対して低侵襲手術を行っており、小児水腎症と膀胱尿管逆流に対して日本で初めてロボット支援手術に成功しました。2020年4月から施設基準を満たした病院において水腎症に対するロボット支援手術が保険医療で受けられるようになりました。手術指導も数多く行っており、今後も乳幼児から思春期、成人まで幅広く、精密で安全な手術が提供できるように心がけていきます。


【消化器・一般外科】
消化器・一般外科では、2018年4月の保険収載から2020年9月現在、300件を超えるロボット支援手術を行なってきました。これは、全国屈指の症例数を誇り、トップクラスの技術で提供しています。ロボット支援手術の特徴を生かし、胃がん、直腸がんおよび膵臓腫瘍に対して、従来手術よりも精度の高い手術をより安全に提供しています。またこの精度の高さに着目し、保険未収載手術として、高難度な肝臓切除に対しても導入しました。このことにより、多くの患者さんがロボット支援手術の恩恵を受けることが可能になると思います。


【呼吸器外科】
呼吸器外科では、2019年4月末に施設基準を取得し、5月よりロボット支援手術が健康保険で行えるようになりました。これまでに、肺がん48例、縦隔腫瘍46例のロボット支援手術を行っています。当科では、早期肺がんだけでなく、進行肺がんに対しても胸腔鏡手術による治療を実施しており、これらの豊富な胸腔鏡手術経験を生かして、より低侵襲な質の高いロボット支援手術を行っています。


【産科婦人科】
産科婦人科では、2018年よりロボット支援腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術、その後ロボット支援腹腔鏡下子宮全摘手術を開始しています。従来の腹腔鏡下手術から更に一歩進んだ操作性に優れたロボットを用いる事で、より緻密で患者様に優しい医療を提供することが可能になったと実感しています。実際の手術の適応(手術実施が可能かどうか、その術式がご病気の治療に向いているかどうか)、手術にかかる費用、手術を行う日程などに関しましてはおかかりの病院からの紹介状をご持参の上、当科へ受診頂きますようお願い申し上げます。