グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


緩和医療・精神腫瘍学を専門的に学びたい医学生・医師の方へ


ホーム > 診療科・中央部門紹介 > 中央部門 > 緩和ケアセンター > 緩和医療・精神腫瘍学を専門的に学びたい医学生・医師の方へ

緩和医療・精神腫瘍学を専門的に学びたい医学生・医師の方へ

センター長あいさつ

名古屋市立大学病院の緩和ケアセンターの原型である緩和ケア部は、明智が2004年に国立がんセンターから名古屋市立大学病院に赴任したことがきっかけで誕生しました。私は、国立がんセンター中央病院在籍中の2000年に、(おそらく日本ではじめての)多職種から構成される緩和ケアチームの立ち上げに参加し、その重要性を実感いたしました。そういった経験があったために、名古屋市立大学病院でも緩和ケアチームを立ち上げたいと思い、当時、緩和ケアの重要性を理解してくださっていた消化器外科の坂本雅樹先生(2021年時は名古屋徳洲会病院の緩和ケア外科部長)とともに、草の根的に自分たちの意思で緩和ケアチームを作ったのがその発端です。
 その後、緩和ケア診療加算が保険診療化され、わが国のがん対策としてがん診療連携拠点病院の制度が打ち出され、その要件として多職種から構成される緩和ケアチームの設置が義務付けられることになりました。このような世間のがん医療の充実の流れを背景に、名古屋市立大学病院の中に正式に緩和ケア部として位置付けられ、恵まれた環境で産声をあげました。その後、機能の充実が図られることになり2019年から緩和ケアセンターに名称変更され、現在に至っています。
 現在、名古屋市立大学病院の緩和ケアセンターはがん診療・包括ケアセンターのなかの主要な中央部門として活動しており、依頼される患者さんの数も大変多いことから、独立した緩和ケアチームを2チーム擁しており、各チームに専従あるいは専任の緩和ケア医、精神科医、看護師、薬剤師、公認心理師等がおります。
 私はもともと精神科医であり、当院の緩和ケアチームは身体症状緩和のみならず、精神症状緩和に力を入れております。
 加えて大学病院における組織でもあるため、特定機能病院として良質な診療を提供するのみならず、緩和ケア医や精神腫瘍医の教育・養成、またこれら領域の研究にも力を入れております。
 残念ながら、わが国においては、大学の緩和医学に関する講座も大変少なく、緩和ケア医のキャリアパスを明確に描くのが難しいのが現状かと思います。
 私どもの緩和ケアセンターでは、名古屋市立大学大学院医学研究科の血液・腫瘍内科および呼吸器・アレルギー内科、愛知県内外の複数のがん診療連携拠点病院の緩和ケア病棟、在宅医療機関と連携して診療・研究にあたってきました。施設間の連携を活かして、日本緩和医療学会の認定医/専門医を取得する緩和ケア専門コースを設けております。その他、センターの長の明智は、大学院医学研究科の精神・認知・行動医学分野および連携大学院である精神腫瘍学講座の教授を併任しているので、研究に興味がある方や学位取得希望がある方などもお気軽に相談にいらしてください。
このように、名古屋市立大学病院の緩和ケアセンターでは、医学・医療を通しての地域貢献とともに、緩和ケア医の育成、最先端の研究にも取り組んでおります。

緩和医療専門医を目指す医師のための研修プログラム(緩和医療・精神腫瘍学の専門研修をお考えの方へ)

緩和ケア医・精神腫瘍医キャリアサポートネットワーク 東海 (ことはなNet)
TOkai(KOmaki-HAmatsu-NAgoya)-Network for enhancing the career development in palliative care and psycho-oncology

緩和医療・精神腫瘍学を専門的に学ぶ機会を求める医師に対して、臨床および研究に関する教育機会を提供するための質の高い研修体制を構築し、緩和医療/精神腫瘍学の専門性を確立していきます。

本研修プログラムは日本緩和医療学会緩和医療専門医研修カリキュラムに準拠してプログラムを組んでいます。我が国の専門的緩和ケアサービスの提供形態としては緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、在宅緩和ケアがその主なもので、その全ての形態での緩和ケアが経験できるプログラムです。加えて、わが国の現状のシステムでは、緩和ケア医が経験を積むことが難しく、一方では学習ニードが極めて高い、サイコオンコロジーや精神医学、緩和支持領域の臨床研究に関しても深く学ぶ機会を提供できることが本研修プログラムの特色の一つです。
 内科・外科などの身体科の経験を積んだうえで緩和ケア医としての研鑽を積むことも、精神科医の経験を活かして専門的緩和ケアサービスの研鑽を積むことも可能です。緩和医療認定医/専門医の取得を行ったのちに、もとの専門分野や他の医療圏で診療を継続することも可能です。お一人お一人のライフステージに沿った支援を相談させていただいております。

研修施設に関しては、日本で最初のホスピス病棟であり、緩和医療に関する国内の臨床そして研究拠点の一つである聖隷三方原病院のホスピス科・緩和支持治療科(浜松市)をはじめとして、緩和医療専門医による在宅緩和ケアを提供している在宅緩和ケアあすなろ医院(愛知県小牧市)、名古屋市立大学病院の緩和ケアセンター(名古屋市)の3施設をコア施設として、研鑽を積んでいただけます。

☆研修モデルコース
2年コース
専門研修 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 ホスピス病棟・緩和ケアチーム研修
(聖隷三方原病院 ホスピス科・緩和支持治療科)
ホスピス病棟での研修を中心に研鑽を積みます
2年目 在宅緩和ケア研修 精神腫瘍・緩和ケアチーム研修
(在宅緩和ケアあすなろ医院)
緩和医療専門医と協働して在宅緩和ケアの研鑽を積みます
(名市大病院 緩和ケアセンター)
緩和ケアチーム診療に加えて、精神腫瘍医・公認心理師などと協働して精神腫瘍学の研鑽を積みます
3年コース
専門研修 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 ホスピス病棟・緩和ケアチーム研修
(聖隷三方原病院 ホスピス科・緩和支持治療科)
ホスピス病棟での研修を中心に研鑽を積みます
2年目 在宅緩和ケア研修
(在宅緩和ケアあすなろ医院)
緩和医療専門医と協働して在宅緩和ケアの研鑽を積みます。
地域連携、介護サービスなどについても学ぶ機会となります。
3年目 精神腫瘍・緩和ケアチーム研修
(名市大病院 緩和ケアセンター)
緩和ケアチーム診療に加えて、精神腫瘍医・公認心理師などと協働して精神腫瘍学の研鑽を積みます。
希望に応じて精神科病棟での研修も受けることができます。
上記は研修モデルとしての例です。
開始時期、ローテーションの順番、各施設での研修期間、施設選択などは相談のうえ決定させていただきます。
研修期間中から社会人大学院生として精神腫瘍学分野に在籍し、博士号の取得を目指すことも可能です。

☆緩和ケア医・精神腫瘍医キャリアサポートネットワーク 東海 連携スタッフ紹介
代表 聖隷三方原病院 ホスピス科 部長 今井堅吾
名誉代表 聖隷三方原病院 副院長 森田達也

名古屋市立大学病院
副院長、がん診療包括ケアセンター副センター長、緩和ケアセンター センター長 こころの医療センター長 明智龍男(精神腫瘍登録医、精神科専門医)
 緩和ケアセンター 副センター長 内田恵(精神腫瘍登録医、精神科専門医)

聖隷三方原病院
緩和支持治療科 部長 森雅紀(緩和医療専門医)

在宅緩和ケアあすなろ医院 
院長 渡邊紘章(緩和医療専門医)

事務局
長谷川貴昭(緩和医療専門医)

コア施設紹介

聖隷三方原病院 ホスピス科・緩和支持治療科
日本で最初にホスピス病棟を設立した総合病院で、ホスピス科では、専門的な緩和ケアを27床のホスピス病棟において多職種で実践しています。緩和支持治療科では、浜松市北部をカバーするがん拠点病院の中にある緩和ケアチームとして、時期を問わない緩和ケア・支持療法を外来、一般病棟でも提供しています。
複数人の緩和医療専門医が在籍し、本邦の緩和医療のオピニオンリーダー、研究拠点として活動しています。数多くの緩和医療研修を提供した実績、臨床研究の指導経験を有しています。


聖隷三方原病院 ホスピス科
聖隷三方原病院 緩和支持治療科

在宅緩和ケアあすなろ医院
緩和医療専門医である院長を中心に、小牧市全域およびその周辺市町の一部を診療圏として、専門的な外来緩和ケアおよび在宅緩和ケアを提供しています。
小牧市民病院などの地域がん診療連携拠点病院、緩和ケア病棟、訪問看護ステーションと連携して、患者さん自身が希望する場所で、できるだけ長く自分らしさを大切にしながら穏やかな生活が続けられるように支援しています。緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、緩和ケア外来の経験を持つ緩和医療専門医が専門的な緩和ケアの技術を生かした診療を提供しております。

在宅緩和ケア あすなろ医院

名古屋市立大学病院 緩和ケアセンター
緩和ケア医、精神腫瘍医、看護師、薬剤師、公認心理師を中心とした様々な職種が協力して、その専門性を活かしたチーム医療を提供しています。入院患者さんに対する緩和ケアチーム診療(コンサルテーション診療)、外来患者さんに対する緩和ケア外来を診療の場としております。
特定機能病院の中で専門的なサイコオンコロジーの臨床と研究を学ぶことができるのが特色です(適応障害、うつ病への対応、せん妄への対応など)。非がん患者さんに対するコンサルテーション・リエゾンの診療も経験を積むことができます。
医学部6年生に対する卒前教育、研修医・専門研修医に対する卒後教育、大学院(精神腫瘍学)教育にも携わっております。

見学を希望する方へ
研修を受けることが難しい方におかれましても、キャリアプランの相談や見学などをお引き受けしております。お気軽にご相談、ご連絡ください。


連絡先 
名古屋市立大学病院 緩和ケアセンター
ncupsychiatry@gmail.com

聖隷三方原病院 臨床研修センター
mk-kensyu@sis.seirei.or.jp

在宅緩和ケアあすなろ医院
info@zaitaku-asunaro.com

緩和医療の研究をより専門的に行いたい方、臨床研究をはじめたい方へ
(緩和医療・精神腫瘍学の研究での学位の取得についてのご案内)

センターの長の明智が、名古屋市立大学大学院医学研究科の精神・認知・行動医学分野および精神腫瘍学講座の教授を併任しているので、研究の初学者に対しても、研究の立案から学位論文の執筆まで指導可能です。これまでに、緩和ケア医、精神科医、心理士、看護師、ソーシャルワーカーなどが大学院に入学し学位を取得しております(学位取得率は100%です)。

連携大学院
サイコオンコロジー研究会

緩和医療を学ぶ前に、内科専門医の取得を考えている方へ

緩和医療の専門性は難治性の症状を含めた症状緩和、全人的苦痛に対応するための多職種によるチーム医療の実践、コミュニケーション能力、臨床における難しい課題への対応(終末期の倫理的な問題への対応、意思決定支援)などが挙げられます。
しかし、臨床経過や病態の把握、原疾患への治療適応の判断など、内科医としての医学的判断や技術が基本的な能力として必要です。特に疾患の軌跡の理解、エビデンスに基づいた診療の実践、がん診療の基本的な知識、非がん疾患における複雑な病態の理解などは身に着けておく必要があります。
名古屋市立大学内科専門研修プログラムや聖隷三方原病院内科専門研修プログラムと連携して、内科専門医の取得やサブスペシャリティ領域の研鑽を積む機会も提供できます。お気軽にご相談ください。
名古屋市立大学内科専門研修プログラム
聖隷三方原病院内科専門研修プログラム

なお、精神腫瘍医としてキャリアを積むことをお考えの方には、基盤領域としての精神科専門研修をお奨めしております。こちらもお気軽にご相談ください。
精神科専門医研修プログラム

名古屋市立大学病院 緩和ケアセンター
緩和ケア医・精神腫瘍医キャリアサポートネットワーク 東海は、
・緩和医療・精神腫瘍学の専門研修を希望する方を支援します
・女性医師を始め、さまざまなライフステージを支援いたします
・こころのケアを深めたい方を支援します
・臨床研究をはじめたい方を支援します。