放射線治療科
診療科のご案内
当院では、令和2年1月の入院・診療棟の開棟に伴い、令和2年4月から新たに放射線治療科が新設されました。
放射線治療は、手術・薬物療法と並ぶ、がん治療三本柱の一つです。放射線治療の最大の特徴は、体を切らずに治療することができるため、患者さんの肉体的負担が少なくすむことです。適応疾患も、頭頚部がん(脳や喉頭/咽頭がん)・食道がん・肺がん・乳がん・前立腺がんや膀胱がん・子宮頚がん・転移性脳腫瘍や転移性骨腫瘍など多岐に渡ります。手術や薬物療法と組み合わせることで、患者さんの治療成績によりよい結果をもたらす場合もあります。患者さんの全身状態等により手術や薬物療法ができない場合でも、放射線治療なら治療を行える場合もあります。進行したがんであっても、がんによる痛みや出血などの諸症状を和らげる際にお役に立てる場合もあります。当科では、患者さんご本人やご家族の意向も踏まえつつ、各診療科と連携を取りながら、最良な治療方針をご提案できるよう心掛けておりますので、どうぞ安心して放射線治療のご相談にいらしてください。なお初診につきましては、原則予約制となっております。初診をご希望される患者さんは、各診療科主治医の先生を通して、ご予約をお取りください。
放射線治療は、手術・薬物療法と並ぶ、がん治療三本柱の一つです。放射線治療の最大の特徴は、体を切らずに治療することができるため、患者さんの肉体的負担が少なくすむことです。適応疾患も、頭頚部がん(脳や喉頭/咽頭がん)・食道がん・肺がん・乳がん・前立腺がんや膀胱がん・子宮頚がん・転移性脳腫瘍や転移性骨腫瘍など多岐に渡ります。手術や薬物療法と組み合わせることで、患者さんの治療成績によりよい結果をもたらす場合もあります。患者さんの全身状態等により手術や薬物療法ができない場合でも、放射線治療なら治療を行える場合もあります。進行したがんであっても、がんによる痛みや出血などの諸症状を和らげる際にお役に立てる場合もあります。当科では、患者さんご本人やご家族の意向も踏まえつつ、各診療科と連携を取りながら、最良な治療方針をご提案できるよう心掛けておりますので、どうぞ安心して放射線治療のご相談にいらしてください。なお初診につきましては、原則予約制となっております。初診をご希望される患者さんは、各診療科主治医の先生を通して、ご予約をお取りください。
特長
当院では、東海地区では第1号機となる、エレクタ社製の高精度放射線治療装置、「VersaHD(バーサエイチディー)」を導入しております。これにより、高精度な放射線治療をお受けいただくことが可能です。どのような照射方法がよいかは、患者さんのご状況により異なりますので、診察時にご相談ください。
(放射線治療室内の様子。東海地区第1号機Versa HDを備え、開放的な空間です。)
主な疾患・治療法
1)画像誘導放射線治療
放射線治療では、毎回正確に、治療部位へ放射線を集中させ照射することがとても重要です。当院では、毎回の照射直前に治療台の上で画像情報(X線画像等)を取得し、照射前に、位置のずれをしっかり補正する、画像誘導放射線治療(IGRT:Image-guided radiotherapy)を行っております。また画像取得方法として、X線以外に、被ばくの心配がない可視光を利用した装置、「Catalyst(カタリスト)」も持ち合わせております。他、前立腺癌の治療時には、事前に病変部に金マーカーの留置を行うことで、毎回の位置のずれを、さらに精度よく補正することも可能です。
例)前立腺癌(金マーカー留置後)症例。
治療当日のCT画像と、治療計画時のCT画像の位置のずれをしっかり合わせることが可能です。
例)乳癌術後照射の症例。
治療当日の体表面画像と、治療計画時のCT画像の位置のずれをしっかり合わせることが可能です。可視光を使用しているため、位置合わせによる被ばくはありません。
2)定位(ピンポイント)照射、多門照射
標的病巣に対して多方面から放射線を当てることができます。これにより、病巣には集中的に放射線を当てつつ、病巣周囲の正常臓器に当たる放射線の低減に努めることができます。また、標的病巣の部位(脳や肺など)やサイズによっては、ピンポイント照射を採択できる場合もあります。
例)肺の病変部に対して、様々な方向から放射線をあてることで、病変部位への線量集中性を高めることが可能です。
例)脳の小病変に対して、ピンポイント照射(定位照射)を行うことが可能です。
3)呼吸移動対策
照射をあてる部位によっては、治療中の呼吸に伴う照射ターゲットの移動が、照射精度を下げる要因となる場合があります。そのため、当院では、必要に応じて、様々な呼吸移動対策を講じております。これにより、より照射精度を高め、副作用の少ない治療を、ご提供することができます。
当院で実施している、呼吸移動対策のご紹介
呼吸に伴う照射ターゲットの移動自体を小さくするように、おなか回りの動きを抑える固定具を作成し、治療中の照射ターゲットの動きを抑制することができます。
呼吸モニタリング装置「Abches ET(アブチェス)」を利用した呼吸停止/呼吸同期による照射の実施が可能です。
→アブチェスを用いることで、患者さんのお胸とお腹、2カ所にて、呼吸による体の動きをモニタリングできます。これをうまく利用することで、深吸気時のみを狙って放射線治療を行う「深吸気息止め照射」や、患者さんの呼吸リズムに合わせて、ある一定のタイミングで治療部位を狙い撃ちする「呼吸同期照射」をしっかり行うことができます。
→アブチェスを用いることで、患者さんのお胸とお腹、2カ所にて、呼吸による体の動きをモニタリングできます。これをうまく利用することで、深吸気時のみを狙って放射線治療を行う「深吸気息止め照射」や、患者さんの呼吸リズムに合わせて、ある一定のタイミングで治療部位を狙い撃ちする「呼吸同期照射」をしっかり行うことができます。
例)左乳房照射時の「深吸気息止め照射」
主な医療機器
機器 | 製造業者 | 機器内容 |
---|---|---|
Versa HD | エレクタ | 放射線治療装置 |
SOMATOM Definition AS OPEN | シーメンスヘルスケア | CTシミュレーション装置 |
RayStation | 日立 | 治療計画装置 |
Monaco | エレクタ | |
MIM | ユーロメディテック | 治療計画支援装置 |
Abches ET | エイペックスメディカル | 呼吸同期システム |