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診療科・部門

腎臓内科


診療科のご案内

「腎臓の病気は治らない」とあきらめる人は多くいます。確かに失ってしまった腎臓の機能は取り戻せません。しかし「腎臓の病気の原因」それぞれで、今からでもやらなければならないことがたくさんあります。放置していてはいけない病気として、腎臓内科に通院していただき、少しでもお役に立ちたいと思っています。

腎臓内科では、今ある腎疾患を引き起こした原因をまず明らかにすることを目指します。原因によって、当然治療法が違うのですが、そのほかにも、この先の腎機能の変化が予想できることにもつながります。さらには腎臓以外に現れてくる症状や、場合によっては生活の質や生命予後が左右される情報であることもあります。東部医療センターの腎臓内科は、この原因を明らかにすることに重点を置いています。特に、腎生検という方法でできるだけ原因を明らかにしていくことに力を入れています。腎生検ではこのほかにも、病気の勢いや治療効果の判定もおこなうことができます。

当院の腎臓内科では、慢性腎臓病、急性腎障害、全身疾患と関わる腎臓病、高血圧、電解質異常、腹膜透析、血液透析などについて診療を行っています。また、これらのことは他の病気で入院している方についても対応しています。特に血液透析部門については、当院に多く入院してこられる急性疾患(心臓や脳血管の障害、感染症など)や癌などの入院についても、他院の透析治療を受けておられる方が安心して治療を受けていただけるように体制を整えています。

特長

腎臓疾患は症状に乏しく、自覚症状が出現したときにはすでに腎機能障害が進行している場合も少なくありません。症状のない段階での発見・診断・治療こそが腎予後を改善する一番の方法です。検診尿蛋白陽性から糸球体腎炎を疑い腎生検を施行し、正確な病理診断をすることで的確な治療が可能となります。当院では動脈硬化に基づく腎硬化症がますます増え、特異的な治療が困難となる近年の状況を鑑みても、腎生検査適応となる症例は積極的に腎生検を行って原疾患の確定をして適切に治療方針を決定しています。また、保存的治療ではARBを中心とした薬剤調整のほか、食事・生活習慣指導まで行っていきます。進行した腎障害の場合、血液透析・腹膜透析・腎移植といった腎代替療法の選択が必要になります。当院では血液透析・腹膜透析に関しては導入・管理していますが、生体腎移植は近隣の名古屋第二赤十字病院など移植外科がある施設に紹介する方針としております。
適切な情報提供を行い、患者さん個人のみならずご家族含め全員で検討をしていただき、十分議論を尽くした上で、体調が悪化する前に腎代替療法の準備を行い、導入を行っていくことが私たちの理想です。血液・腹膜透析患者さんに於きましても、さまざまな合併症がおこります。該当科の先生方と連携して透析患者さんの合併症治療に対応できる体制を整えてまいります。地域のみなさまの診療の向上に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2021年4月より当院の大学附属病院化に伴い、一層体制が強化され、鈴木大成部長が就任し、火曜日外来に市大病院から友齋達也非常勤医師を迎え、大学との連携が一層充実しました。

主な疾患・治療法

蛋白尿・画像異常・血液異常などの腎障害を示唆する所見かまたはeGFR 60ml/min/1.73㎡以下が3か月以上続くときを慢性腎臓病(CKD)といい、末期腎不全または心血管合併症の重要な予測因子とされています。
当科ではCKD診療全般の中で特に下記の領域に力を入れています
  • 腎炎・ネフローゼの早期発見・早期治療(腎生検の推進)
  • 保存期CKDにおける病診連携の強化
  • 末期腎不全における円滑な腎代替療法の導入
    内シャント造設は自己血管造設のときは原則当科にて行い、前腕定型部位でのシャント造設が難しいまたは人工血管造設のときは当院血管外科にお願いして造設いただいています。腹膜透析カテーテル留置に関しては泌尿器科と連携しながら行っています。シャントPTAは血管外科に依頼しております。
  • 透析患者の合併症入院診療(敗血症・肺炎・脳出血・脳梗塞・DM 足壊疽・重症心筋虚血、PADによる下肢壊疽など)
  • LDL 吸着やDFPP・PE・PA・GCAPなどのアフェレーシス治療(他科と連携)
当科ではCKD 以外にも、救急患者が多い特徴から急性腎障害(AKI)や低ナトリウム血症・高カリ
ウム血症をはじめとした電解質異常など腎疾患だけでなく一般内科全般を対象に幅広い疾患群に対
して診療を行っています。現在2名の腎臓専門医が診療を担当していますが、大学病院の医師と定
期的に火曜日にカンファランスを行い連携しながら病棟回診、腎生検病理組織検討会、毎日の適宜の
ミーティング等を通じて情報を常に共有し、診療科として治療方針の統一をはかり、質の高い医療を
提供できるよう心がけています。
腎臓専門医への紹介要件は腎臓学会から下記条件のガイドラインに示されており、この条件に該
当される方は積極的にご紹介をお願いします。
1)~3) のいずれかに該当するCKDは腎臓専門医に紹介し、連携して診療する。
1) 高度の蛋白尿(尿蛋白/Cr 比0.50g/g・Cr 以上、または2+ 以上)
2) 蛋白尿と血尿がともに陽性(1+ 以上)
3) eGFR50mL/min/1.73m2未満
 40歳未満の若年者ではeGFR60mL/min/1.73㎡未満
 腎機能の安定した70歳以上ではeGFR40mL/min/1.73㎡未満
(日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012より)

診療実績・研究業績

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