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診療科・部門

泌尿器科


診療科のご案内

泌尿器科の目標は「受診される市民の皆様の身体的・社会的な負担を最小限とし、市民の皆様の望まれる最高の医療を提供させていただくこと」です。

特長

東部医療センター泌尿器の特色

  1. 腹腔鏡による低侵襲手術を積極的に行っています。
  2. 小児泌尿器科専門医による診療を行っています。
  3. 尿路結石症に対し細径内視鏡を用い、早期に治療・疼痛緩和が得られます。
  4. 尿路変更術において、腸管を利用した代用膀胱造設術を行っています。

主な疾患・治療法

1. 腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術

当院泌尿器科では腹腔鏡手術を名古屋市内ではいちはやく2004年より導入しております。 腹腔鏡手術は開腹術に比べて社会復帰や術後疼痛などが1/4程度であるといわれています。 腹腔鏡手術の特徴(図1)は患者さんには優しく低侵襲だが、医療者には難易度が高く高侵襲、しかし腹腔鏡手術に慣れてしまうと腹腔鏡の手術の方が安全に施行できると我々は考えております。 腹腔鏡手術の特徴(図2)は体内に二酸化炭素を流入させて視野を確保し、モニターで見ながら確実な手術ができることです。 腹腔鏡手術と開腹術の比較(図3)では術中因子では開腹術で呼吸・循環系にメリットがありますが、術後因子では腹腔鏡手術で疼痛が少なく、回復が早いです。 2014年現在では腹腔鏡で摘出できる臓器(図4)として副腎、腎蔵、膀胱、前立腺があり、すべて施行できる名古屋市内の市中病院は当院だけです。 そのためには腹腔鏡技術の認定試験があり、3名の泌尿器科医師が技術認定医の資格を保有しております。平成25年では当科の総手術件数は400件弱(図5)であり、腹腔鏡手術は74症例、腹腔鏡手術の内訳(図6)は前立腺33例、腎臓26例、副腎8例、膀胱5例、腎部分切除2例でした。

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図1

(図1)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図2

(図2)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図3

(図3)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図4

(図4)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図5

(図5)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図6

(図6)

腹腔鏡下前立腺全摘除術

前立腺がんに対して施行される手術方法であり、技術的に難易度が高く、施行できる病院が限られている手術です(名古屋市内の市中病院では当院のみです)。症例の悪性度や浸達度に応じて、リンパ節郭清を追加したり、男性機能をつかさどる神経血管束を温存したり、手術の詳細な方法を手術前の話し合いにより決定いたします。下腹部に5箇所5~12mmの傷で(図7)手術を施行し、前立腺は体内でビニール袋に入れて臍下の傷を20-30mmに広げて摘出します。最近では手術時間も短縮され90-120分(図8)、出血量も100ml前後で施行しております。手術日1日で3件手術可能であり、手術の待ち時間も少なくて済みます。入院期間は10日間前後(図9)を予定しています。

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図7

(図7)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図8

(図8)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図9

(図9)

腹腔鏡下膀胱全摘除術

膀胱がんに対して施行される手術方法であり、2012年に保険収載された新しい手術です。当院は2012年9月に第1例目を施行、2年間で9例と症例数は少ないものの、現在腹腔鏡下で膀胱全摘を施行している市中病院は愛知県で2病院と少なく、今後もそれほど増加しないと思われます。手術手技の難易度は高く、手術行程が複雑で時間を要する手術です。患者さんのメリットは大きく、創部痛は少なく、術後腸閉塞もそれほど認められず、術中出血量も開腹術の1/4程度、手術時間は開腹術より長くかかりますが、入院期間は短縮されています。手術の傷は一般的には5-6箇所ですが、当院は臍部にマルチチャンネルポート(4cm切開)を留置することで、3箇所の傷(図10、11)で手術を施行しています。創部の外観は開腹術に比べ整容性に優れています(図12)。

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図10

(図10)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図11

(図11)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図12

(図12)

腹腔鏡下腎(副腎)摘出術

腎臓がん、腎盂がん、尿管がん、副腎腫瘍に対して施行される手術方法であり、泌尿器腹腔鏡技術認定の判定に使われる手術です。大きな腫瘍に対しては開腹手術が適応となりますが、早期で発見された腫瘍は腹腔鏡手術の適応となります。3-4箇所の傷で手術を施行(図13)、創部の外観(図14)は開腹術にくらべ整容性に優れています。現在、手術時間は2時間前後、出血は50ml以下で施行しています。入院期間は1週間前後で予定しております(図15)。

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図13

(図13)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図14

(図14)

腹腔鏡(ラパロ)による低侵襲手術図15

(図15)

腹腔鏡下腎部分切除術

早期腎臓がんに対して施行される手術で、当院では腫瘍が腎表面から半分以上突出している腎臓がんを適応としています。腎臓がんでも腎機能の温存が可能であり、適応症例では積極的に部分切除をおすすめしております。腫瘍が腎内に埋没している状態では、開腹にて腎部分切除、もしくは腹腔鏡下での腎摘除術を患者さんと話し合いをして決めさせていただいています。

2. 小児泌尿器科疾患と治療

小児泌尿器科学会認定医により、小児泌尿器科疾患に対する専門的診断・治療を行っています。小児泌尿器先天疾患では停留精巣・陰嚢水腫の手術、救急疾患では精巣上体炎・精巣捻転・小児尿路結石の治療を行っています。今後は積極的に小児腹腔鏡も導入し、手術の低侵襲化にも積極的に取り組みます。

3. 尿路結石症治療・手術

経尿道的尿路結石破砕術(TUL)

尿路結石に罹患する患者さんは、仕事や家庭をもつ方々が多いことから当院では積極的治療が必要な場合、結石が複数や両側性であってもなるべく1回の入院(3-4日間)で治療を完結するよう心掛けています。細径内視鏡(直径1.8mm)とホルミウムレーザーにて、約98%の患者さんが1回の治療ですべての結石の破砕・回収に成功しています。

経尿道的手術(fTUL)を併用した経皮的腎結石破砕術(PNL)

3cmを超える大きな腎結石に対する治療方法です。背中から腎臓に約6mmの金属製シースを挿入し、細径腎盂鏡で結石を破砕・回収します。それに加え経尿道的(尿道から腎盂に内視鏡を挿入)に内視鏡を挿入し、背中からの内視鏡の死角となる部分の結石もレーザーにて破砕します。この2つのアプローチにて、大きな結石でも1回の手術ですべての結石を破砕・回収することができます。かぎりなく細い内視鏡で治療することにより入院も約5-7日間と短期間ですませることが可能です。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

1泊2日でおこなっています。初期よりESWLを導入しており、安全に治療することができます。

4. 代用膀胱造設術(膀胱全摘後の尿路変更)

膀胱癌で膀胱全摘術の必要な患者さんは、尿をためておく袋である膀胱を摘出するため、尿路の変更が必要になります。当院では小腸を利用した新膀胱により、術後も術前と同様に排尿が可能である代用膀胱造設術を経験豊富な医師により積極的に施行しております。腹腔鏡による膀胱全摘術との併用で術後の回復も早く、また代用膀胱により術後のQOLも高く保つことが可能です。

診療実績・研究業績

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