当院では産婦人科領域全般にわたる診療を行っています。その中でも特に流産・死産を繰りかえす不育症、不妊症に力を入れています。また、赤ちゃんの病気(異常)を妊娠中に見つけて、小児科、小児外科、心臓外科医、小児脳外科、小児泌尿器科、麻酔科と連携して、赤ちゃんにとって最適な治療をするために努力をしています。また、からだやこころの病気を持った女性が無事に出産できるようにハイリスク妊娠の管理をしています。
ご自身やご家族の病気によって妊娠をためらわれるカップルのために臨床遺伝医療部において遺伝カウンセリングを産婦人科医、小児科医、内科医、精神科医と協力して行っています。
子宮・卵巣悪性腫瘍に対して婦人科腫瘍ガイドラインに基づいた標準的治療を行っています。子宮筋腫・子宮内膜症などの良性の病気に対してはなるべく手術をしないでQOLを良くする方法を話し合って選択していただきます。
私たちといっしょに最善の治療方法を考え、病気と取り組んでいきましょう。
生殖医療・周産期・婦人科腫瘍の3つを柱として診療しています。スタッフは全員が日本産科婦人科学会専門医で、不育症(習慣流産)、難治性不妊症、着床前診断・出生前診断、胎児治療、子宮がん・卵巣がんの手術療法・化学療法などの先端医療に力を入れています。特に不育症、着床前診断、胎児治療、妊孕性温存手術については全国から患者さんが集まっています。さらに中高年外来、遺伝カウンセリング、セカンドオピニオン外来も受け付けています。
2007年4月には分娩成育先端医療センターを開設し、ハイリスク妊娠管理・胎児診断などを行っています。小児科、小児外科、心臓血管外科、脳神経外科、泌尿器科と連携し、先天異常のお子さんを妊娠中から出産後まで継続して治療することができます。
すべての診療は理論的根拠もしくは世界標準を基に方針を決めています。診療・治療の方法がいくつもある場合は各治療の長所・短所を説明し、個々の患者さんがおかれた背景も考慮した上で、患者さんが治療方法を選択できるよう配慮しています。すなわち説明と同意の下で治療方法を選択し、患者さんがより良い生活が送れるように努力しています。ただし、稀な疾患の場合には文献等を調べますので準備の時間をいただくことがあります。
また、入院が必要な場合でも仕事や家庭を持つ忙しい女性のために短期間の入院を目標とし、子供に恵まれない患者さんには精神的苦慮に配慮するなど、生活の質(QOL)を落とさないように心がけています。
| 不育症・習慣流産 | 流産、死産を繰り返してお子さんを得られない疾患 詳しくはこちらをご覧ください。 |
|---|---|
| 不妊症 | 妊娠を試みても1年以上妊娠できない不妊症の原因を精査し、治療をします。特に男性不妊症や受精卵診断などの難治性不妊治療を行っています。 |
| 胎児異常・先天異常 | 胎児の段階で異常がある場合の出生前医療 |
| ハイリスク妊娠管理 | 慢性疾患を持ったかたの妊娠、妊娠高血圧症(妊娠中毒症)などの異常妊娠の管理 |
| 子宮・卵巣がん | 婦人科腫瘍ガイドラインに基づいた標準的治療を行っています。がんの進行度によって、手術療法、化学療法、放射線療法を選択していただきます。出産前の女性には患者さんとの話し合いによって子宮温存も考慮します。 |
| 子宮筋腫・子宮内膜症 | |
| 子宮脱 | |
| 月経異常 |
| 役 職 | 氏 名 | 専門分野 |
| 診療科部長 | 杉浦 真弓 | 不育症・習慣流産 |
| 分べん成育先端医療センター | 鈴木 佳克 | 代謝・中高年・周産期管理 |
| 尾崎 康彦 | 不育症・習慣流産 | |
| 荒川 敦志 | 腫瘍 | |
| 岡田 英幹 | 不妊症・内視鏡手術 | |
| 佐藤 剛 | 不妊症・受精卵診断・周産期管理 | |
| 鈴森 伸宏 | 出生前診断・臨床遺伝学・周産期管理 | |
| 西川 博 | 腫瘍 | |
| 金子 さおり | 出生前診断・臨床遺伝学・周産期管理 | |
| 中西 珠央 | 不育症・習慣流産・周産期管理・婦人科手術 | |
| 熊谷 恭子 | 不育症・習慣流産・周産期管理・婦人科手術 | |
| 服部 幸雄 | 不妊症・周産期管理・婦人科手術 | |
| 西川 隆太郎 | 周産期管理・婦人科手術 | |
| 大林 伸太郎 | 周産期管理・婦人科手術 | |
| 杉山 ちえ | 周産期管理・婦人科手術 | |
| 水谷 栄太 | 周産期管理・婦人科手術 |
研究のご協力をお願いいたします。
名古屋市立大学病院産婦人科のスタッフ15人は、高い技術と知識を提供するために常に努力を続けています。そのために全国から多くの患者さんが来院されます。私たちは先進的な臨床研究により、世界中の患者さんのお役に立つ使命を持っています。日頃の診療から患者さんのデータを蓄積し、現在適切な治療法が確立されていない病気に対する新しい治療法の研究、現在行われている治療法が本当に有効であるかなどの検証も行っています。
学生の教育を行っています。
私たちは高い技術と知識を持った若い医療従事者を育成する使命を持っています。医学生、研修医、看護学生、助産師学生、救命救急師が外来、分娩を見学することがしばしばあります。また、毎週火曜日は部長回診があり患者さんの治療方針について議論します。私たち自身、そうして高い技術を習得してきました。その点をご理解いただき、学生の見学をお認めいただけない場合、他院での分娩をご紹介させていただきます。
安全なお産のために
名古屋市立大学で開発したコンピューターネットワーク母児モニタリングシステムで、分娩中の赤ちゃんは常に多数の部所で監視し、電子パルトグラムシステムにより分娩の経過が参照でき、チーム医療で分娩に臨むことができます。「妊娠は病気ではない」といいますが、日本では10万人あたり5人の妊婦さんが、 1000人あたり3人の赤ちゃんが、お産の前後で亡くなっています。日本のお産は世界中で最も安全ですが、これだけの数のお母さんと赤ちゃんが亡くなっています。安全なお産のためにモニター用のベルトをつけて、点滴をしながらお産をしていただいています。
希望者には夫立会い分娩も可能ですが、立会い教室の受講が必要です。いつもお母さんと赤ちゃんが一緒にすごせるように、お産後早期から母子同室を可能にしています。
医学的に問題のない場合は母乳を推進し、お母さんや赤ちゃんの満足感が得られるように助産師がお手伝いします。
母体合併症と精神的ストレスにも対応できるよう、内科医やこころの医療センター医師にも常にコンサルトできる体制をとっています。
当院受診時のお願い
名古屋市立大学病院は新生児集中治療室と集中治療室を備えているので、愛知県全域からハイリスク妊娠のお母さんと赤ちゃんを24時間体制で受け入れています。また、不育症、受精卵診断の患者さんは全国から集まってきます。
産科医療崩壊が全国で起こっていますが、名古屋も例外ではありません。ハイリスク分娩、癌の手術などの高度な医療を提供し、国際的な研究を行うためにはマンパワーが必要です。
限られた人員で患者さんの安全を守るために、正常分娩の予約をお断りする場合があります。
産婦人科受診を考えておられる方はまず、お近くの診療所にご相談ください。その上で高度な診療が必要なかたは紹介状を持って来院されますようにお願いいたします。
また、産婦人科では(1)子どもに恵まれない女性のための診療を重視している、(2)感染予防、(3)看護師不足のためお母さんの診察中の安全をお約束できないため、という3つの理由からお子様同行をお断りしております。
以上、当院受診時のお願いについて述べさせて頂きました。当院での診療をご希望のかたは十分にご理解のうえに来院されますようにお願い致します。