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呼吸器・アレルギー内科


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診療科部長からのメッセージ

「患者さんお一人おひとりの“これから”に寄り添う、呼吸器・アレルギー分野の専門医療を。」
長引く咳や息切れ、ぜんそく、肺炎、COPD、そして肺がんや間質性肺炎まで――。呼吸器・アレルギー内科では、胸のさまざまな不調や病気の診断・治療を行っています。
近年、呼吸器内科領域では新しい治療法が次々と登場し、患者さんの治療選択肢が大きく広がっています。当科では専門の医師が常に最新の知識を取り入れるとともに、豊富な診療経験と実績を生かし、高度な医療を提供しています。
一方で、何より大切にしているのは「病気だけを見るのではなく、患者さんという“人”に向き合うこと」です。お体の状態やご年齢、生活でのご不安はお一人おひとり異なります。私たちは、あなたにとって「一番納得のいく、最適な治療」をともに考え、歩んでいきます。

診療科の特色

当科の特色は以下の通りです。

1. 身近な症状から難治性疾患まで、幅広く専門的に対応
「長引く咳が止まらない」「階段を上ると息が切れる」といった日常的なお悩みから、専門的な検査と高度な判断が求められる疾患まで、呼吸器に関わるあらゆる病気に迅速かつ精度高く対応します。

2. 最新の知見に基づいた質の高い最先端医療の提供
呼吸器領域は、新しい薬や治療法がめざましいスピードで開発されています。当科では、専門医チームが常に最新の医学的エビデンス(科学的根拠)や診療ガイドラインをアップデートし、先進的で安全性の高い医療を積極的に取り入れています。

3. 「病気」だけでなく「人」を診る、オーダーメイド治療
同じ病名であっても、患者さんのご年齢、体力、持病、そして「どのように過ごしたいか」というご希望はお一人おひとり異なります。私たちは、最新のデータだけに頼るのではなく、お一人おひとりの全身状態や背景に深く配慮し、ご本人・ご家族が心から納得できる「最適な治療選択」をともに考えます。

4. 不安を解消する、丁寧で温かい対話とチーム医療
呼吸の不調は、大きな不安や生活上の苦痛を伴うものです。当科では、医師だけでなく、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、相談員などが連携し、患者さんが安心して治療に専念できるよう多角的にサポートします。どんな小さな疑問や不安も、気兼ねなくご相談いただける環境づくりを大切にしています。

診療・治療に対する心がけ

 私達は患者さんを常に中心とし、先進的で適切な検査により、迅速かつ安全で正確な診断を第一に心がけます。
 気管支鏡検査については、全国的にみても最先端の機器を種々保有しています。ガイドシース併用ラジアル型気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)・超音波気管支鏡下針吸引生検法(EBUS-TBNA)・経気管支凍結生検(クライオバイオプシー)などの各種気管支鏡検査に加え、胸水・胸膜疾患の患者さんには局所麻酔下胸腔鏡検査も行っています。

 喘息や慢性咳嗽(長く続く咳)の診断や管理については、2012年4月より全国に先駆けて専門外来を開設し、呼吸機能検査、気道過敏性検査に加えて、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)測定、誘発喀痰検査、強制オシレーション法などの最先端の検査や質問票などを用いています。日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン」、日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン」作成への参画や国内外の臨床試験の主導も行い、診断や治療が難しい難治例の患者さんにも高度な専門診療で対応させていただきます。喘息、COPDなどの吸入療法では薬剤師が吸入の仕方を分かりやすくご説明し、医師、薬剤師、看護師が協力して患者さんの治療にあたっています。
 肺がんについては、病理部と連携して迅速かつ正確な診断と遺伝子検査の実施を心がけています。呼吸器外科や放射線科と協力しながら、病状・病期にあわせて適切な治療を行っています。化学療法においては、科学的根拠に基づき、患者さんのご年齢や体力などにあわせて治療薬を選択し、効果・副作用について十分にご説明しながら継続しています。副作用発症時には、他診療科との協力体制に加え、薬剤師や看護師との連携体制も整っており、安心して治療を受けていただけます。また国内外の先進的な臨床研究に参加し、有望な治療をいち早く患者さんに紹介できるよう努力しています。
 肺炎、肺結核、非結核性抗酸菌症などの呼吸器感染症については、微生物検査室や感染制御部とも連携し、ガイドラインに基づいて抗菌薬を選択して最適な治療を行っています。
 間質性肺炎については国際ガイドラインに従い、患者さんお一人おひとりの情報を、院内で呼吸器内科医師、放射線科医師、病理医師が定期的に集まりディスカッションを行って診断と治療方針を決めています。このように、院内で複数の専門分野の医師がディスカッションを行っている施設はまだ日本では少なく最先端の医療を患者さんのために提供しているといえます。
 私たちは、どのような検査、治療においても患者さんに丁寧にご説明し、よくご理解をいただいた上で診療にあたります。

主な治療法

病名 症状・治療法
喘息 近年では吸入ステロイド薬などの治療薬の進歩により、多くの患者さんで喘息は良好にコントロールできる病気になってきました。吸入ステロイド薬を中心とする治療を十分に行っても症状が持続するような治療が難しい患者さんには、抗IgE抗体療法、抗IL-5抗体療法、抗IL-4受容体α鎖抗体療法、抗TSLP抗体療法などの最新の治療法も導入いたします。長期にわたり治療が続けられるよう、薬剤部と連携して吸入指導を行うなど、患者教育にも力を入れています。
慢性閉塞性肺疾患(COPD) 禁煙が第一の治療です。当院では禁煙外来を開設し、保険診療での禁煙治療をすすめています。息切れなどの症状に対しては、気管支拡張薬を中心とする吸入療法などを行います。喘息を合併する患者さんにも最新の診断・治療を行っています。酸素欠乏が進行した場合は、在宅酸素療法やマスクによる陽圧人工呼吸療法も導入します。
慢性咳嗽 咳は患者さんが医療機関を受診するきっかけとなる一番多い症状であり、特に近年長引く咳でお困りの患者さんが増えています。何年も続く咳で苦しまれている患者さんも少なくありません。当科では豊富な臨床経験・実績と海外の専門家との情報交換なども活かした最先端の診療を進めています。詳しくお話を伺ったうえで各種検査を施行し、原因の特定と治療を行います。
肺がん がんのなかで死亡患者数が最も多いのが肺がんです。病期と患者さんの全身状態により、化学療法、放射線治療、あるいはそれらを組み合わせた治療から最適な治療法を選択します。化学療法では最新の診断と科学的根拠に基づき、数多くの抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤の中から適切な治療薬を選択します。条件があえば、新しい治療法の開発のために臨床試験・治験への参加をお願いしています。
悪性胸膜中皮腫 アスベスト(石綿)曝露との関連で近年患者さんが増加しています。呼吸器外科と手術の可能性について検討します。内科治療では抗がん剤および免疫チェックポイント阻害剤による治療が中心となります。
肺炎 適切な全身管理をしながら、ガイドラインに基づいて抗菌薬を選択し治療を行います。リハビリテーション部と連携し、寝たきりにならないように早期離床訓練をしたり、誤嚥性肺炎の再発予防のために嚥下機能訓練を行ったりしています。
非結核性抗酸菌症 近年増加傾向で、とくに肺に病気をもたない中高年の女性や何らかの原因で免疫力が低下している患者さんにみられます。一般にゆっくりと進行する病気で、経過観察でよい場合もありますが、病状によっては抗結核薬を含む複数の抗菌薬を組み合わせて長期間にわたる治療を行います。
間質性肺炎 ステロイド薬や免疫抑制薬、また抗線維化薬であるピルフェニドン(ピレスパ®)、ニンテダニブ(オフェブ®)、2026年に承認されたネランドミラスト(ジャスケイド®)での治療を行います。この病気は、時に急速に悪化する場合があり命に関わることがあります。体内の酸素不足が不可逆的に進行した際は、在宅酸素療法が必要となります。
肺結核 排菌のない場合には主に外来で抗結核薬の内服治療を行います。排菌がみられる場合には、結核専門病院へご紹介の上、入院治療が必要となります。
気胸 肺の表面に穴が開いて、肺が縮んでしまう病気です。胸腔ドレナージという処置で肺の空気漏れを止めるようにしますが、肺の拡張が悪い場合は呼吸器外科に相談し、手術を行うこともあります。

診療実績

項目 2025年度
外来患者数 17,230人
新入院患者数 968人
新入院患者の主な疾患別内訳
  肺悪性腫瘍 440人
  呼吸器感染症 296人
  間質性肺炎 85人
  慢性閉塞性肺疾患 31人
  喘息 58人
  気胸 34人
  気管支拡張症 6人
気管支鏡検査件数 228件

スタッフ紹介

(令和8年8月1日現在)
役職 氏名 専門分野
部長・教授 赤松 弘朗 呼吸器一般、呼吸器腫瘍
感染制御部・教授 中村 敦 呼吸器感染症
副部長・准教授 大久保 仁嗣 呼吸器一般、間質性肺疾患
講師 田尻 智子 呼吸器一般、喘息、慢性咳嗽
講師 金光 禎寛 呼吸器一般、喘息、慢性咳嗽
助教 福田 悟史 呼吸器一般、呼吸器腫瘍
助教 福光 研介 呼吸器一般、喘息、慢性咳嗽
助教 森 祐太 呼吸器一般、呼吸器感染症
助教 伊藤 圭馬 呼吸器一般、喘息、慢性咳嗽
臨床研究医 鈴木 達朗 呼吸器一般、喘息、慢性咳嗽
臨床研究医 伊藤 利泰 呼吸器一般
臨床研究医 藤川 将志 呼吸器一般
臨床研究医 田中 達也 呼吸器一般
シニアレジデント 柿原 章人 呼吸器一般
シニアレジデント 岩田 駿昂 呼吸器一般
シニアレジデント 中川 佳恵 呼吸器一般
地域医療教育研究センター 教授 小栗  鉄也 呼吸器一般、呼吸器腫瘍

外来担当者一覧



医療設備

ガイドシース併用ラジアル型気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)

外径1.4mmの細径超音波プローブにガイドシースとよばれる管をかぶせて病変まで誘導し超音波にて病変に到達したことを確認したのち、細径超音波プローブのみを抜去し残したガイドシースに生検鉗子やブラシを挿入することで正確かつ確実に、同一箇所で何度でも生検や擦過が可能です。

超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)

気管支鏡の先端に超小型超音波装置を装着し、超音波のガイドにより気管支内腔からリンパ節などを生検します。

経気管支凍結生検(クライオバイオプシー)

先端部が-45℃の低温となるクライオプローブという道具を用いて、組織を凍結し、周囲ごと肺の組織を採取する検査です。
間質性肺炎や肺がんの診療に有用です。

局所麻酔下胸腔鏡検査

原因不明の胸水に対して局所麻酔下胸腔鏡を施行しています。専用の胸腔鏡ファイバースコープを用いて、胸腔内の観察と壁側胸膜の生検を行って診断を確定します。癌性胸膜炎、悪性胸膜中皮腫、結核性胸膜炎などの診断に有用です。

呼吸器・アレルギー内科について詳しく知りたい方

呼吸器・アレルギー内科では、特設サイトを運営しています。
呼吸器・アレルギー内科についての詳しい内容は、
名古屋市立大学大学院医学研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学ホームページを参照ください(現在改訂準備中です)。

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