内分泌・糖尿病内科
診療科部長からのメッセージ
田中 智洋
内分泌・糖尿病内科では、幅広く糖尿病や内分泌疾患、代謝疾患の専門的診療に当たるとともに、大学病院ならではの内分泌・代謝領域の希少難病の検査と治療を行っています。特に、肥満症やサルコペニア*、1型糖尿病や不妊・不育を伴う女性の内分泌疾患など、これから専門的治療のニーズが高まる疾病の診療に力を入れるとともに、地域の先生方との密な連携で相談しやすい内分泌・糖尿病内科を目指しています。
*サルコペニア・・・加齢などの原因により筋量や筋力が減少し、生活の質が低下したり糖尿病をはじめとする他の数多くの病気を合併しやすくなる病気
*サルコペニア・・・加齢などの原因により筋量や筋力が減少し、生活の質が低下したり糖尿病をはじめとする他の数多くの病気を合併しやすくなる病気
診療科の特色
日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会認定教育施設、日本肥満学会認定肥満症専門病院に指定されています。
各種の専門外来を開設
肥満症専門外来(木曜日、田中担当)、1型糖尿病外来(金曜日、服部担当)、女性内分泌外来(火曜午前、浜田担当)、サルコペニア外来(火曜午後、小山担当)を設けています。
ニーズに合った入院プログラム
肥満症減量入院(14泊15日)、糖尿病合併症検査短期入院(4泊5日)、インスリン導入を目的とした2型糖尿病教育入院(13泊14日)、副腎偶発腫検査入院(3泊4日)など各種の入院プログラムを用意し、患者さんのニーズに合致した、分かりやすく親切な入院検査・治療を提供しています。
健診等で見つかった異常所見や、漠然とした症状の精査
健診等で指摘された検査値異常から内分泌代謝疾患が見つかることもしばしばです。当科では、詳細な2次・3次検査の実施と丁寧な結果のご説明を行います。全身倦怠感や筋力低下などの漠然とした症状が、当科が専門とするホルモンの病気に起因することも多く、診断がつかずにお困りの患者さんの相談にも積極的に乗らせて頂きます。
画像診断で見つかった内分泌臓器の腫瘍の精査
画像検査の普及により、甲状腺や副腎に偶然腫瘍が見つかるケースが増加しています。甲状腺癌の診断や、手術が必要な副腎腫瘍の正確な診断と治療方針の決定も私たちの仕事です。
不妊症・不育症における内分泌機能評価と管理
不妊症や不育症の原因として、糖代謝異常や肥満、甲状腺機能障害、性腺機能低下症など内分泌学的な異常が潜んでいることは珍しくありません。当科ではホルモンの観点から、産婦人科と連携し、妊娠と出産の実現へのサポートを行います。
2020年4月より外来枠をさらに拡大し、月~金まですべての曜日で2診体制となりました。ご紹介元の医療機関や患者さんのご希望に沿う日時に紹介予約を取って頂くことがより容易になりました。
2020年4月より外来枠をさらに拡大し、月~金まですべての曜日で2診体制となりました。ご紹介元の医療機関や患者さんのご希望に沿う日時に紹介予約を取って頂くことがより容易になりました。
診療・治療に対する心がけ
糖尿病診療に際しては、糖尿病療養指導士の全国資格をもつ看護師、薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師(合計15名が在籍)に加え、医師や理学療法士を含むチームにより、糖尿病教室や、他施設患者さんも交えた活気ある糖尿病グループ指導を開催する一方、眼科、腎臓内科、循環器内科、脳神経内科、心臓血管外科、皮膚科、歯科口腔外科等の各部門と協力した全人的医療に力を入れ、合併症の発症予防や進展阻止に病院を挙げて全力を尽くしています。
1型糖尿病に対するインスリンポンプ治療(CSII)、進歩著しい持続血糖モニタリング(CGM)による24時間の血糖変動の精密な評価と、それに基づいた治療の最適化に積極的に取り組み、理想的な血糖コントロールを目指す先端的な医療を実践しています。また、カーボカウントにより食後血糖の上昇をコントロールしつつ、その人らしい食生活を可能とする治療を心がけています。また患者会を通じて患者さん同士の交流の場を提案していくことで、1型糖尿病とともに生きる患者さんの生活の質の向上を目標としています。
内分泌診療に関しては、先天性内分泌疾患の小児期から成人期への移行(トランジション)のケア、副腎腫瘍による原発性アルドステロン症やクッシング症候群、副腎機能低下症や成人成長ホルモン分泌不全症などのホルモン欠乏症、間脳下垂体腫瘍術後の内分泌学的管理など、指定難病を含む多くの患者さんの診療に当たっています。小児科内分泌グループや脳神経外科、泌尿器科などと密に連携し、きめ細かい治療を行っています。
コモンディジーズである、バセドウ病・橋本病に対しては、エビデンスに基づいた甲状腺機能コントロールを行っています。また、甲状腺腫瘍に対しては甲状腺エコー、穿刺細胞診を積極的に実施することで、悪性腫瘍の早期発見につとめ、耳鼻いんこう科・内分泌外科と連携し治療成績の向上に貢献しています。
1型糖尿病に対するインスリンポンプ治療(CSII)、進歩著しい持続血糖モニタリング(CGM)による24時間の血糖変動の精密な評価と、それに基づいた治療の最適化に積極的に取り組み、理想的な血糖コントロールを目指す先端的な医療を実践しています。また、カーボカウントにより食後血糖の上昇をコントロールしつつ、その人らしい食生活を可能とする治療を心がけています。また患者会を通じて患者さん同士の交流の場を提案していくことで、1型糖尿病とともに生きる患者さんの生活の質の向上を目標としています。
内分泌診療に関しては、先天性内分泌疾患の小児期から成人期への移行(トランジション)のケア、副腎腫瘍による原発性アルドステロン症やクッシング症候群、副腎機能低下症や成人成長ホルモン分泌不全症などのホルモン欠乏症、間脳下垂体腫瘍術後の内分泌学的管理など、指定難病を含む多くの患者さんの診療に当たっています。小児科内分泌グループや脳神経外科、泌尿器科などと密に連携し、きめ細かい治療を行っています。
コモンディジーズである、バセドウ病・橋本病に対しては、エビデンスに基づいた甲状腺機能コントロールを行っています。また、甲状腺腫瘍に対しては甲状腺エコー、穿刺細胞診を積極的に実施することで、悪性腫瘍の早期発見につとめ、耳鼻いんこう科・内分泌外科と連携し治療成績の向上に貢献しています。
主な疾患
糖尿病 | 1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、膵性糖尿病、肝性糖尿病、遺伝子異常や薬剤に伴う糖尿病を診療しています。2型糖尿病に関しては「平成28年国民健康栄養調査」において、「糖尿病が強く疑われる人」は約1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」も約1,000万人、合計約2,000万人と概算されています。初期の段階から治療介入することにより進展を阻止し合併症を予防することができます。 |
甲状腺疾患 | 甲状腺疾患の有病率は高く特に女性に多い疾患です。甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)、甲状腺機能低下症(主に橋本病)、甲状腺腫瘍などの疾患を診療しています。 |
副甲状腺・骨疾患 | 中年女性に比較的多く認められる副甲状腺機能亢進症は、骨が弱くなったり、尿管結石ができる疾患で決して稀な病気ではありません。骨粗鬆症は高齢化やステロイド治療の増加に伴い治療の対象となる患者さんが増えています。 |
間脳・下垂体疾患 | 当院の内分泌診療の特徴は、先天性内分泌疾患と間脳下垂体疾患が多いことです。末端肥大症、プロラクチノーマ、クッシング病などの下垂体腺腫のほか成長ホルモン分泌不全症を含めた下垂体機能低下症を診療しています。 |
副腎疾患 | 副腎皮質機能低下症、原発性アルドステロン症、副腎クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎癌、非機能性副腎腫瘍などの疾患があります。機能性の副腎腫瘍は二次性高血圧や二次性糖尿病の原因となります。 |
主な治療法
糖尿病 | ・糖尿病の一次予防、初期教育から合併症治療まで、糖尿病に対する総合診療に力を入れています。 ・2020年4月からは1型糖尿病専門外来を開始し、インスリンポンプ療法(CSII)、持続血糖モニタリング(CGM)、センサー付きポンプ療法(SAP)などの先進的な治療に力を入れています。 ・カーボカウントにより食後血糖をコントロールしつつその人らしい食生活を可能とし、患者会を通じて患者さん同士の交流の場を提案していくことで、1型糖尿病とともに生きる患者さんの生活の質の向上を目標としています。 ・糖尿病専門外来以外に、当院独自の教材を用い、シリーズ教育プログラムが組まれた糖尿病グループ指導、多数の外来患者さんを対象とした糖尿病教室など、様々な糖尿病の教育を医師とコメディカルが絶妙なチームワークで行っています。 ・患者さん一人ひとりにあわせたきめ細かい血糖管理の他、特に血管合併症の診断、脈波伝導速度などによる動脈硬化症の診断にも力を注いでいます。 ・総合病院として、眼科、腎臓内科、循環器内科、脳神経内科、心臓血管外科、皮膚科、歯科口腔外科部門も充実しており、糖尿病網膜症、腎症、神経障害、壊疽、歯周病などの糖尿病合併症や、虚血性心疾患、脳血管障害、末梢動脈閉塞症などの動脈硬化性疾患に対しても各専門分野の医師と連携し総合的な治療が可能です。 ・妊娠糖尿病管理も豊富な症例があり、インスリン注入ポンプを導入した1型糖尿病患者分娩症例の経験もあります。 |
甲状腺疾患 | バセドウ病・橋本病に対してエビデンスに基づいた薬物療法を行っています。甲状腺腫瘍に対してはエコー、CT、MRI、RIなどの画像検査や甲状腺エコーガイド下穿刺細胞診を実施し、悪性腫瘍の早期発見につとめています。 また、手術が必要な甲状腺腫瘍に関しては耳鼻いんこう科と緊密な関連によりスムーズに外科的治療を行える体制となっています。 |
副甲状腺・骨疾患 | 副甲状腺機能亢進症を血液、尿、頚部エコー、CT、RI検査などにより早期診断しており、内分泌外科に速やかに腺腫摘出手術を依頼しております。なお、21q11.2欠失などの先天性副甲状腺機能低下症や特発性・偽牲副甲状腺機能低下症も多数外来で診療しカルシウム代謝を正常化しています。 骨粗鬆症に対しても、ガイドラインに基づき骨密度や骨代謝マーカーなどを参考にして、生活指導・薬物療法を行い患者さんの骨を守るように努力しています。 |
間脳・下垂体疾患 | 2006年5月から成人に対する成長ホルモン補充療法が保険で認められるようになっています。当科では多くの成人成長ホルモン分泌不全症治療患者さんをフォローしており、成長ホルモン補充によるQOLや体組成の改善効果がみられています。 各種の内分泌学的負荷試験により下垂体前葉・後葉機能を的確に判定し、MRI所見などと総合してさまざまな間脳・下垂体疾患を診断し、脳神経外科と協力して総合的診療をしています。 |
副腎疾患 | 幅広い副腎疾患を理論的に診断して治療に結び付けています。副腎疾患においては放射線科や泌尿器科との連携により、原発性アルドステロン症の副腎静脈採血による確定診断や腹腔鏡下副腎腫瘍摘出術がなされています。検診などで偶然見つかった副腎腫瘍(副腎偶発腫)に対する短期検査入院も行っており、褐色細胞腫や副腎クッシング症候群などの診断をしています。 |
肥満症 | 肥満「症」は体重が適正体重より多いことにより糖尿病や高血圧症、心血管疾患、さらには睡眠時無呼吸症候群や変形性関節症など全身の臓器を障害する重大な疾病です。糖尿病や高血圧症はそれぞれに治療薬が存在しますが、3~5%の減量により薬を使わなくとも大幅な改善が見込めると言われています。肥満症の治療は減量を達成するための食事療法・運動療法が基本です。それにくわえて当科では現在、「肥満減量2週間クリニカルパス入院」を行っており、多くの方が5~10kgの減量に成功しています。また肥満外科手術については、複数の診療科との緊密な連携のもと医学的根拠に基づいて総合的に判断し、適応症例は消化器外科に紹介しております。 ⇒肥満症治療センターHPへ (別ウィンドウで開きます) |
サルコペニア | サルコペニアは加齢や慢性疾患(肝硬変、慢性閉塞性肺疾患など)のために歩行スピードや筋力が低下する疾患で、生活の質を著しく落とし、ひいては死のリスクを伴うものとして近年注目を集めています。当科ではInBody®という機器を用いて筋肉量を評価しています。また、採血検査にて筋力アップに不足する栄養素がないかチェックし、それをもとに適切な食事療法の指導を行います。また、筋肉と密接にかかわる骨粗鬆症の治療も並行して行っています。 |
スタッフ紹介
(令和6年10月1日現在)
役職 | 氏名 | 専門分野 |
部長・准教授 | 田中 智洋 | 糖尿病・内分泌・代謝・肥満症 |
講師 | 青谷 大介 | 糖尿病・内分泌・代謝・肥満症 |
助教 | 小山 博之 | サルコペニア・糖尿病・内分泌・代謝 |
病院助教 | 八木 崇志 | 糖尿病・内分泌・代謝・甲状腺 |
病院助教 | 竹田 勝志 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
病院助教 | 伊藤 隆彦 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
臨床研究医 | 久我 祐介 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
臨床研究医 | 清水 優希 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
臨床研究医 | 加藤 聡美 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
臨床研究医 | 森 一憲 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
臨床研究医 | 渡邉 昂汰 | 糖尿病・内分泌・代謝 |
外来担当者一覧
外来診察日ならびに担当医師についてはこちらをご覧ください。
その他
患者さんに寄り添う内科が私たちのモットーです。
真心を込めた診療で皆様のニーズにお応えします。
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内分泌・糖尿病内科について詳しく知りたい方
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内分泌・糖尿病内科についての詳しい内容は、
名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学ホームページを参照ください。
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