グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


小児科




診療科部長からのメッセージ

小児科は新生児から思春期まで、こどもの病気すべてに対して、最先端の医療を誰にでも提供することを目指しています。最新の医学研究の成果を実際の医療現場に生かすことは、大学病院の使命です。このような高い医療レベルと同時に、こどもひとりひとりの権利が守られ、輝きが大切にされる優しい小児医療を大切にしています。
当院は小児科以外の外科系の診療科も小児医療を得意としています。これらの診療科と力を合わせて、包括的な小児医療を行います。
また、平成27年4月には総合周産期母子医療センターへ指定されました。

診療科の特色

幅広い小児科医療のニーズに応えるために、新生児、循環器、血液腫瘍、内分泌、先天代謝、肝臓、アレルギー、神経、心理の専門グループを中心として診療にあたります。新生児から思春期そして、成人まで小児のあらゆる発達段階に応じて必要な医療を提供していることが、私たち小児科の特徴です。
しかし、専門性が高いことだけでは、小児医療は不十分です。病気を抱えたこどもと家族を支えるためには、医療、教育、福祉などの様々な機関との連携が求められています。
私たちは、院内や地域の専門家と連携して、あらゆる病気を抱えるこどもたちが在宅で生活ができるように、支援の輪を広げています。

診療・治療に対する心がけ

小児科では、専門性と科学性に立脚して、時代の最先端の小児医療を提供いたします。そのため、新しい治療である治験への参加や、先端医療の導入を積極的に行っています。
このような専門性の高い医療は、ときに分かりづらかったり、判断に迷う場合もあるかもしれません。私たちは、インフォームドコンセントを徹底し、理解と納得に基づいた医療を行うことが、専門性の高い医療を行うための基本であると考えています。
小児科は、透明性の高い小児医療を実践し、互いの信頼に基づく医療を追求し、実践しています。

主な疾患・治療法

新生児疾患

分べん成育先端医療センターとして診療を行っています。分べん成育先端医療センターの詳細はこちらをご覧ください。

内分泌疾患

成長ホルモン分泌
不全性低身長症
脳下垂体からでる成長ホルモンの分泌が低下しているため、身長が伸びない病気です。自宅で成長ホルモンの薬を毎日注射する治療が有効です。ただこの薬は健康で成長ホルモンが正常な小柄の児には、効果はありません。
複合型下垂体機能低下症 生まれながらの脳下垂体の異常や、その後、脳腫瘍などで下垂体に広範囲に障害が及ぶと、成長・発達の障害に加えて体のバランスがとれなくなり、生命をも脅かします。ただちに詳しい検査・治療が必要となります。
甲状腺疾患
(クレチン症、バセドウ病、慢性甲状腺炎)
生まれながらにして甲状腺が働かない体質を持つのがクレチン症で、生後早期からの治療が必要です。免疫の異常で甲状腺の働きが亢進、低下する体質を持つのが、バセドウ病、慢性甲状腺炎で通常は内服治療を行います。
性分化障害(DSD)・性腺機能低下症 外性器が未熟なため性別の判定が困難な児に対し、当院では小児泌尿器科との協力によりDSD児を精密かつ迅速に検査し対応しています。また思春期年齢以降で、二次性徴がみられないまれな疾患も多く診療しています。
思春期早発症 二次性徴が幼い年齢で出現するため、体が早く完成し、結果的には小柄が強くなってしまうこと、幼い年齢で月経がくるなどの問題が起きます。月に1回の注射で、卵巣・精巣を刺激するホルモンを抑える治療を行います。
ターナー女性 女児で低身長を認める体質の一つです。程度には大きな個人差がありますが、卵巣の働きが低下したり、生まれながらにして、あるいは成人期以降もさまざまな症状を持ち、必要に応じた治療を受けていく必要があります。
副腎機能低下症
(先天性副腎皮質過形成症、
副腎低形成症、ACTH不応症など)
当院では、頻度の高い先天性副腎皮質過形成症から比較的まれな副腎機能低下症など、多くの副腎疾患の診療を行っております。治療は副腎皮質ホルモン投与ですが、各病態によって、治療のポイントが大きく異なります。
水・電解質代謝異常
(中枢性または腎性尿崩症など)
脳下垂体後葉から出る抗利尿ホルモンの不足により、尿が濃縮されず多尿となるのが中枢性尿崩症で、鼻からホルモンを補充して治療します。抗利尿ホルモンに対して腎臓が反応しないため多尿となるのが腎性尿崩症です。
糖尿病(おもにI型糖尿病) 小児期発症ではインスリンが枯渇する1型糖尿病が多く、インスリンの自己注射が必要となります。ポンプによる持続インスリン皮下注射も可能になりました。さらに、単一遺伝子異常による糖尿病の診療も行っています。
カルシウム関連疾患
(副甲状腺機能低下症・クル病)
当院では小児整形外科の協力により、O脚、関節腫脹などを主訴に来院される、くる病の診療や、カルシウム、リンの調節に重要な副甲状腺の病気の診療も行っています。ビタミンD、カルシウム、リンなどで治療します。

神経疾患

てんかん てんかんは大脳神経細胞の過剰な興奮による症状を繰り返す疾患で、日本に約100万人の患者さんがいると言われています。脳波検査や画像検査を行い、児の症状に合わせて抗てんかん薬を投与し、発作の消失を図ります。
神経筋疾患 筋ジストロフィー、ミオパチー、脊髄性筋萎縮症を代表とする神経筋疾患について、血液検査や必要に応じて筋生検を行い診断します。診断後は児の状況に合わせて適切に治療・サポートしていきます。
末梢神経疾患 炎症性多発神経炎(ギラン・バレー症候群など)や遺伝性ニューロパチーを適切に診断します。特にギラン・バレー症候群においては、症状の改善がない場合にはガンマグロブリン療法を行い、症状の改善を図ります。
急性脳炎・脳症 急性脳炎・脳症は、発熱とともに痙攣発作や意識障害が遷延する非常に重篤な疾患です。治療ガイドラインに則し、できるだけ病勢を抑え、後遺症を少なくするように、他診療科と協力して集中治療にあたります。
神経変性疾患 異染性白質ジストロフィー、副腎白質ジストロフィー、脊髄小脳変性症といった稀な疾患を、画像検査や血液検査、遺伝子診断を行うことにより診断します。児の症状に合わせた薬物療法、サポートを行います。
ミトコンドリア異常症 発達の遅れ、難聴、成長障害、痙攣発作といった多様な症状を呈する疾患で、ミトコンドリア機能異常により、様々な臓器に障害を起こします。筋生検や遺伝子解析により診断し、児の症状に合わせた治療を行います。
頭痛 頭痛の性状や随伴症状を確認し、国際頭痛分類をもとにして、頭痛の診断を行います。小児の場合はすべての症状が揃わない場合があるので、必要に応じて画像検査を行い、鎮痛薬の使用、予防薬の使用を行います。
睡眠障害 夜寝付けない、脚がムズムズする、夜中に目が覚める、日中に寝てしまうなど、睡眠に関わる症状について状況を把握し、個々の重症度に合わせて生活指導や薬物療法を行い、日常生活の質が高まるようにします。
その他 その他、小児神経・筋疾患一般に対応しています。お気軽にご相談ください。

心理・発達

広汎性発達障害
(自閉症スペクトラム障害)
対人相互反応、意思伝達の発達の質的な障害と限局的興味や常同行動を主な特徴とする発達特性です。特性に合わせた環境調整や対応の工夫、進路選択をすることが大切です。
注意欠陥多動性障害 発達年齢に相応しない不注意、多動性(落ち着きのなさ)、衝動性を主な特徴とする発達特性です。環境調整や対応の工夫の他に、薬物療法にて行動特徴の改善が見込まれることがあります。
知的障害 全般的な知的発達の遅れを認める発達特性です。特性に合わせた環境調整や対応の工夫、進路選択をすることが大切です。
学習障害 身体疾患ではないのに、読字、書字、算数能力のいずれかにおいて発達年齢に相応しない特異的な困難さが認められる発達特性です。特性に合わせた指導や進路選択などの工夫をすることが大切です。
発達性協調運動障害 身体疾患ではないのに発達年齢に相応しない不器用、姿勢保持困難、運動機能の稚拙さなどを認める発達特性です。特性に合わせた指導や進路選択などの工夫をすることが大切です。

血液疾患

好中球減少症 原因として、先天性・自己免疫性などがありますが、多くの方で、中耳炎や気管支肺炎を繰り返したり、虫刺されが膿みやすいことなどから発見されます。
貧血 原因は様々ですが、頻度が一番高いのは鉄欠乏性貧血です。顔色不良・活気不良・倦怠感などが認められます。その他、球状赤血球症などの溶血性貧血もあります。この場合は、黄疸も認めます。
血小板減少症 小児期に頻度が高いのは、特発性血小板減少性紫斑病です。多くの場合、感冒などの感染症後に一過性に血小板数が低下することにより発症します。急性型が大半で、治療法はγグロブリン療法やステロイド剤があります。
血友病 凝固因子の活性が先天的に低下して、血が止まりにくくなります。A(第VIII因子)とB(第IX因子)の2種類があります。遺伝的な疾患で男性に発症します。治療法は、凝固因子製剤の定期補充療法です。

悪性疾患

主に化学療法(多剤併用)が主体となり、白血病以外は手術や放射線照射を併用します。
白血病 顔色が悪い・熱がなかなか下がらない・出血斑が多い・リンパが腫れるなどの症状から発症します。リンパ性と骨髄性があり、小児の場合はリンパ性が大半です。化学療法により治療を行います。
脳腫瘍 頭痛・嘔吐・けいれんなどの症状で発症します。色々な種類の腫瘍が存在しますが、手術・放射線照射・化学療法の併用を行ってゆきます。
骨軟部腫瘍 骨肉腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫などの病気があります。骨や筋肉の腫脹・疼痛などで発症します。手術・化学療法を行い、病気の種類により、放射線照射も併用します。
腹部腫瘍 神経芽腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫などの病気があります。腹痛・腹部膨満(おなかが大きい)などの症状から発症します。腫瘍が大きくなるまで発見されない場合もあります。手術・化学療法(・放射線照射)の併用となります。

循環器疾患

先天性心疾患 生まれ持った心臓血管の形態異常を特徴とする疾患
弁膜症 心臓の弁に異常を呈する疾患
不整脈 心臓の拍動リズムの異常を特徴とする疾患
心筋症 心臓の筋肉の異常により心臓機能の低下を特徴とする疾患
肺高血圧症 肺動脈の血圧が高い状態を呈する疾患
川崎病性冠動脈疾患 川崎病により発生した冠動脈の異常を特徴とする疾患
肺動静脈 肺血管の異常を特徴とする疾患
心筋炎、心内膜炎 感染により心臓の筋肉、心内膜に炎症を来す疾患
出生前の胎児から小児を対象に、主に上記の小児循環器疾患に対する検査・診断・治療を行っています。施行している検査は、胎児心臓超音波検査、小児心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、CT検査、心臓核医学検査、心電図などです。
これらの検査の結果や病状に基づいて、内科的治療、心臓血管カテーテル治療、心臓血管外科による心臓血管外科手術治療を行っています。

肝臓疾患

B型肝炎 微熱、疲れ、黄疸などの症状を伴いますが、無症状なことも多いです。母子感染予防の対象疾患となっています。肝臓内科と連携し、妊娠中の母への抗ウイルス薬投与も含めた母子感染対策を行っています。家族内感染予防のワクチンも積極的に行っています。
C型肝炎 母親が陽性の場合、約10%に母子感染が成立するとされています。インターフェロン等の治療を行っています。
サイトメガロウイルス感染症 微熱、疲れ、黄疸などの症状を伴います。乳児期に発症することが多い疾患です。先天性サイトメガロウイルス感染症の治療も行っています。
新生児肝炎 生まれて数ヶ月以内の赤ちゃんが発症する病気で、白っぽい便、やや緑がかった黄疸などの症状をきたします。
胆道閉鎖 白っぽい便や、やや緑がかった黄疸などの症状をきたします。小児外科と連携しながら診療します。
PFIC
(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症)
新生児肝炎と同様な症状が長く続き、進行すると肝硬変となります。全身の痒み、疲れ、黄疸などの症状と伴います。難治性の場合は、新しい臨床試験薬の投与も行います。
NICCD(シトリン欠損を伴う新生児肝内胆汁うっ滞症) 新生児肝炎と同様な症状が続きますが、乳児期以降に軽快することが多い疾患です。たんぱく質や脂質を多く含む食品を好むようになります。
ラジール症候群 黄疸、先天性心疾患、眼の異常、骨の異常等を合併する疾患です。

アレルギー疾患

気管支喘息 喘息は、咳が続き、ゼーゼー、ヒューヒューして息が苦しくなる病気です。吸入ステロイド薬などの発作の予防薬を毎日使うと効果的です。日誌をつけ肺機能検査などを行い適切な治療法をアドバイスします。
食物アレルギー 卵、牛乳、小麦製品などを食べて、じんましん、咳、嘔吐などがおこる病気です。血液検査(IgE抗体)、皮膚テスト、食物負荷試験を行い適切な診断と除去食療法をします。食べて治す経口免疫療法も相談しています。
アトピー性皮膚炎 かゆい湿疹が続く病気です。乾燥肌でバリアー機能が悪く、食べ物やダニなどが原因で発症します。ステロイド外用薬、保湿剤によるスキンケアー、かゆみ止めの内服で治療し、生活の改善をアドバイスします。
アレルギー性鼻炎・花粉症 ダニ、ほこり、花粉(スギ、かもがや、ブタクサなど)が鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)の原因となります。副作用の少ない抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド薬などで治療します。
じんましん 蚊に刺されたように赤くはれたり、ブツブツした発疹が出てかゆい病気です。食べ物、ストレス、かぜなどの感染症が原因で起こります。原因の診断を行い、抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬などで治療します。
新生児乳児消化管アレルギー 食物アレルギーの中でも生まれて間もない赤ちゃんに血便、下痢、嘔吐が起こる病気です。母乳や牛乳由来の粉ミルクが原因となることが多く、お母さんやアレルギー用ミルクを用いた除去食療法を行います。

スタッフ紹介

(令和3年12月1日現在)
役職 氏名 専門分野
部長・教授 齋藤 伸治 小児神経、臨床遺伝
副部長・准教授 岩田 欧介 新生児
講師 戸川 貴夫 新生児
講師 野村 孝泰 小児アレルギー
助教 伊藤 孝一 小児肝臓、新生児
助教 鈴木 一孝 小児循環器
助教 亀井 美智 小児血液・腫瘍
助教 加藤 晋 新生児
助教 篠原 務 小児循環器
助教 青山 幸平 小児内分泌
病院助教 岩田 幸子 新生児
病院助教 横井 暁子 新生児、臨床遺伝
病院助教 津田兼之介 新生児
病院助教 大橋 圭 発達障がい
病院助教 川瀬 恒哉 新生児
臨床研究医 家田 大輔 小児神経
鈴木 敦詞 小児内分泌
中村 勇治 小児神経
伊藤 彰悟 小児肝臓、新生児
小山 智史 小児循環器
深谷 聡子 新生児
武田 理沙 小児血液・腫瘍
花井 知奈美 新生児
鈴木 智子 新生児
滝藤 明日香 発達障がい
野田 紗季 小児一般
原 佑太朗 小児一般
非常勤医師 今枝 正行 発達障がい
伊藤 康彦 小児血液・腫瘍
服部 文子 小児神経
浅井 朋子 発達障がい
福原 里美 発達障がい
中垣 麻里 小児循環器
堀 いくみ 小児神経
佐藤 恵美 小児神経
吉田 あや 小児内分泌
山口 直哉 小児内分泌
武内 温子 発達障がい

外来担当者一覧



RSウイルス感染症に関する研究について

当科ではRSウイルス感染症に関する研究に協力しています。 詳しくは下記PDFをご覧下さい。

小児科について詳しく知りたい方

小児科では、特設サイトを運営しています。
小児科についての詳しい内容は、
名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野ホームページを参照ください。

名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野ホームページへ
(別ウィンドウで開きます)