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小児泌尿器科


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診療科部長からのメッセージ

林 祐太郎

 平成29年4月1日付けで小児泌尿器科部長を拝命した林祐太郎です。
 この度、新しく設置された部門の責任者に着任し、毎日を身が引き締まる思いで診療に従事しております。私たちは、お子様の安全を第一に、そして自分のこどもでも安心して任せられるような説明・手術を心がけています。

診療科の特色

 小児泌尿器科では、おもにお子様の腎・尿路・生殖器の先天異常の手術を行っています。代表的な疾患として、腎・尿路の先天異常(水腎症、膀胱尿管逆流、尿管異所開口、尿管瘤、後部尿道弁など)、生殖器の先天異常(停留精巣、尿道下裂、病的包茎、先天性副腎過形成、性分化疾患など)が挙げられ、主に外科的治療を行います。また神経因性膀胱(二分脊椎など)、昼間尿失禁、夜尿症など排尿異常についても専門的な検査・内科的治療を行います。また、腹腔鏡やロボット手術など先進的な技術も積極的に取り入れて、より低侵襲な治療を目指しています。

診療・治療に対する心がけ

 小児科、小児外科、泌尿器科、麻酔科、放射線科、など関連する部署と密に連携し治療を行います。小児泌尿器科は小児期の医療だけでなく、将来にわたって腎機能・生殖機能・排尿機能・性機能を守る成育医療を担います。例えば、停留精巣や尿道下裂の手術を受けた患児が父親になれるよう、泌尿器科不妊チームと密に連携しています。
 小児泌尿器科の手術の特徴として、がんなどに代表される”摘除術”ではなく、形態と機能を守るための”再建手術”がメインとなります。とくに尿道下裂や性分化疾患の手術は繊細な術野管理と精密な縫合テクニックを要します。幸い、私たちは長年にわたり、豊富な経験を積み重ねて参りました。将来にわたり、治療をうけたお子様、ご両親が満足できるような治療を行います。また小児泌尿器科疾患は、診断は同じでもお子様ごとに病態が大きく異なることがあります。十分な説明を行い、個々にあった治療を行います。

腹腔鏡手術について

 当院の小児泌尿器科チームでは以前から侵襲の少ない腹腔鏡手術に積極的に取り組み、日本の小児泌尿器科医療をリードして参りました。停留精巣のうち、体表から精巣を触れない腹腔内精巣や、尿が腎臓へ逆流する膀胱尿管逆流、尿の流れがとどこおる先天性水腎症、などの各疾患に対して腹腔鏡手術を行っています。体表の創が小さくすむことから疼痛が少なく社会復帰が早いという利点があり、創が目立ちにくくなるよう美容面にも気を配っています。

ロボット支援手術について

 当院では、平成23年5月から手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を導入しており、平成30年1月からは最新機種である、「ダ・ヴィンチXi」を導入しております。腹腔鏡手術にくらべ、微細な操作が可能であるロボット手術を積極的に行っています。私たちは平成25年、日本で初めての小児患者に対するロボット支援下手術を行い、今では全国からの多くの患者さんが集まっています。手術成績もさることながら、創も小さくすみ、かつ小児にも安全にロボット手術ができることを証明しました。

主な疾患

停留精巣 精巣(睾丸)が陰嚢内まで十分、下降していない状態で、不妊症や精巣癌の原因になります。
水腎症 尿路の閉塞などが原因で、腎臓内の尿路が拡張する状態で、腎機能低下、腎不全などの原因になります。
膀胱尿管逆流 膀胱の尿が、尿管、腎臓に逆流する疾患で、急性腎盂腎炎や逆流性腎症の原因になります。
尿道下裂 尿道の出口が、陰茎(ペニス)の先端でない状態で、勃起異常、排尿障害の原因になります。

主な治療法

停留精巣 精巣を陰嚢の中に固定します。精巣の所在が不明な難症例に対しては腹腔鏡手術を行います。
水腎症 水腎症の原因となる通過障害を腹腔鏡手術、ロボット支援下手術で治療します。
膀胱尿管逆流 尿管と膀胱のつなぎ目を修復し、逆流を防止する手術を行います。腹腔鏡手術、気膀胱手術、ロボット支援下手術を行います。
尿道下裂 難易度の高い尿道と陰茎の形成をマイクロサージェリーにより行い、将来の正常な排尿と性行為ができるための形成手術を行います。

スタッフ紹介

(令和6年8月1日現在)
役職 氏名 専門分野
部長・教授 林 祐太郎 小児泌尿器科、尿道下裂手術、性分化疾患手術
副部長・准教授 水野 健太郎 小児泌尿器科、腹腔鏡手術、ロボット支援手術
医局長・助教 西尾 英紀 小児泌尿器科、停留精巣手術、水腎症手術、膀胱尿管逆流防止術

外来担当者一覧