グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


皮膚科




診療科部長からのメッセージ

森田 明理

皮膚科としては、全国でも有数の病床数(23床)を持ち、特に乾癬の患者数は多く、光線治療でも最大規模になります。
皮膚疾患に対する光線治療では、本邦で最も代表する医療機関となっています。診療の幅は非常に広く、上記の乾癬のみならず、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患のような難治性疾患から、手術を必要とする皮膚悪性腫瘍、難治性の潰瘍まで、他府県からも患者さんが来院されます。
救急で来院されるような皮膚感染症、難治性潰瘍、薬疹や、リウマチ・膠原病内科との連携をすすめ膠原病・リウマチ性疾患なども診療を提供しております。また、褥瘡回診や1日20件の往診を行うなど、皮膚に関わることならできる限り診療するように努力しています。目指すところは、皮膚科の疾患で困ったら「名古屋市立大学病院皮膚科」と市民の誰からも、地域の医師からも、また他の地域からも言ってもらえることを目指しています。

診療科の特色

皮膚科では、体表の皮膚に関わる疾患を扱うことはもちろんのこと、さらには皮膚にあらわれるさまざまなサインから他の臓器にかかわる疾患を見いだしていきます。発熱や関節痛などの他の症状があっても、皮膚を診ることで早期に、しかも比較的簡単に診断がつき、治療を開始できる病気があります。皮膚、粘膜の変化を伴う症状や症候を診察し、以下にあげる疾患など、幅広い診療を提供します。
アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、尋常性白斑、自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡)、膠原病、皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、有棘細胞癌、メルケル細胞癌)、皮膚リンパ腫、菌状息肉症、皮膚潰瘍、薬疹、帯状疱疹、細菌感染症、接触皮膚炎

診療・治療に対する心がけ

外来診療体制は初診1名、再診3名、専門外来1名の医師が毎日交代で診療にあたっています。また午後には専門外来を設けており、初診、再診での診察後、必要に応じて専門外来で経過をみていきます。
病棟ではチームで診療を行っており、週2回の部長、副部長も交えた病棟全体の回診を通して治療方針を再確認し、最善の治療が行えるようなシステムをとっています。
皮膚疾患は、難治性で長期にわたる治療が必要な場合が多く、誠意と熱意を持った丁寧な診療を心がけています。リウマチ・膠原病をはじめ、他の診療科との十分な連携を行います。皮膚症状を有する患者さんのプライマリー医療や専門的コンサルテーションを行い、重症・難治性皮膚疾患に対応します。またこのような疾患に対して最新医療を提供します。

主な疾患とその治療法

1.皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)

ここ最近の高齢化に伴って皮膚がんの患者さんは増加傾向にあります。公開されている平成30年度病院指標(全病院に公開義務がある入院数、手術数などのデータ)では、当院において入院で行った年間の皮膚悪性腫瘍(単純切除)の手術数は121件と、東海地方のみならず全国的にもトップクラスの症例数であり、令和元年度データではさらに増加している見込みです。
悪性黒色腫(メラノーマ) メラノサイトという皮膚の色を作るもとになる細胞が癌化したもので、いわゆる『ホクロのがん』と言われるものです。近年新たな治療が開発されておりますが、検査(センチネルリンパ節生検など)から手術、薬物治療(タフィンラー®、メキニスト®、ビラフトビ®、メクトビ®などの分子標的治療薬、オプジーボ®やヤーボイ®、キイトルーダー®などの免疫チェックポイント阻害剤)まで幅広い範囲の治療に対応が可能です。また、適応は限られますが、関連施設である西部医療センターとも協力し、陽子線での治療についても対応可能です。
有棘細胞癌
(ゆうきょくさいぼうがん)
皮膚の細胞である有棘(ゆうきょく)細胞が癌化したもので、長期に紫外線に当たるような顔面や、やけどや古い傷の痕から出現することもあります。治療方法としては手術、放射線治療、化学療法などがありますが、患者さんの生活スタイルや希望と併せて最適な治療を提案させて頂いております。また当院では放射線科と協力し、トモセラピー(正常臓器へのダメージを最小限に抑えることができる放射線治療機器)などを用いた体に負担の少ない治療を行うことも可能です。
基底細胞癌
(きていさいぼうがん)
皮膚の細胞である基底細胞が癌化したもので、顔面や陰部によく見られます。巨大なもの以外は転移を起こしたりして命に関わることは希ですが、局所浸潤(癌がある場所で奥深くまでがん細胞が潜ってくるような現象)が見られるため、見つけた段階で早期に治療を行うことが望ましいと考えられます。治療は手術、放射線などがありますが、眼の周りや鼻など、腫瘍を切除した後の再建(切った後の傷跡をきれいに治す手術)も考慮して治療を行うことが可能です。
メルケル細胞癌 表皮の中にあるメルケル細胞が癌化することで起こる皮膚がんの一種です。進行が早く、早期で見つかることも少ないがんであり、再発転移も起こしやすいとされています。当院では手術、放射線治療に加え、免疫チェックポイント阻害薬の一種であるバベンチオ®を用いた治療が可能であり、複数の治療を組み合わせて治療を行っております。
血管肉腫 皮膚にある細かい血管が癌化したものです。難治であり、早期発見ができなかった場合命に関わることもありますが、早期例から残念ながらステージ(病気の進行段階)が進んでしまっているものまで、放射線治療、手術治療、薬物治療と、各科と協力して幅広い治療を行うことが可能です。
乳房外パジェット病 陰部や腋窩(わき)などによく見られる皮膚がんの一種で、よく湿疹やたむしと間違えられるものの一つです。早期例では転移を起こしたり命に関わることはまれですが、転移を起こした場合の生命予後は極めて悪いものになります。他の悪性腫瘍と同じく、手術、放射線、薬物治療など幅広い治療法の選択が可能です。特に肛門周囲や尿道周囲の病変に関しては患者さんの生活スタイルを加味して手術と放射線治療を併せることで排便や排尿機能をできる限り温存するような方法を選択することも可能です。
菌状息肉症 皮膚に存在するリンパ球(白血球の一種)が増殖し、皮膚を攻撃するようになってしまう疾患です。見た目は湿疹やアトピー性皮膚炎と類似していますが、進行すれば命に関わる疾患の一つです。塗り薬、光線治療、飲み薬、放射線治療、化学療法などステージに応じて幾つかの治療方法がありますが、当院は全国でも少なPUVAバス療法が可能な施設の一つであり、タルグレチン®などの新規薬剤と組み合わせた治療が可能なため、早期からステージが進んだ状態までの幅広い対応が可能です。

2.アレルギー・炎症性皮膚疾患

アトピー性皮膚炎          
         


遺伝的要因(皮膚の構造)と環境的要因(アレルギー)による慢性的な疾患です。
主にステロイド外用や、タクロリムス軟膏の外用、保湿剤の使用などで治療を行います。
重症患者さんを対象に上記治療に併用してナローバンドUVBによる治療やデュピクセント®などの生物学的製剤を用いた治療も行っております。
一部の患者さんに対して外用方法や生活指導などを行うための教育入院プログラムも行っております。
尋常性乾癬


免疫異常に加え、環境因子により発症する疾患といわれています。
生物学的製剤の治療や新たな光線治療(ターゲット型光線療法、エキシマライト等)も開発しています。
掌蹠膿疱症


膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
外用療法のほか、光線治療(エキシマライトなど)、生物学的製剤などによる治療を行っています。
接触皮膚炎 いわゆる「かぶれ」です。
原因物質の同定にパッチテストを専門外来にて行っております。

3.色素異常症

太田母斑                            顔面に生じる先天性のあざです。
当院ではQスイッチアレキサンドライトレーザー、Qスイッチルビーレーザーを用いて治療を行います。(健康保険適用あり)
扁平母斑 いわゆる茶あざと言われるもので、淡いものから多毛を伴うものもある生まれつきのあざです。当院ではQスイッチルビーレーザーを用いて治療を行います。(健康保険適用あり)
尋常性白斑 皮膚の色を司る「メラニン」を生成する「メラノサイト」が消失する疾患です。
難治な疾患の一つですが、当院では病型に応じて外用治療、光線治療(ナローバンドUVB,エキシマライト)、1mmミニグラフトや吸引水疱外移植などを組み合わせて患者さんに最適な医療を提供します。(健康保険適用あり)
また、形成外科と共同でメラノサイト含有培養表皮を用いた皮膚移植の臨床試験も行っておりますので、ご希望の方は一度ご相談にお越しください。(2020年4月現在健康保険適用なし)
血管腫 生まれた時、もしくは生まれてすぐから出てくる赤いしみです。ダイレーザーを用いて治療を行っております。
(健康保険適応あり)
老人性色素斑 顔に生じる所謂「しみ」の一つです。
しみにはいくつかの疾患がありますが、老人性色素斑に対してはYAGレーザーやQスイッチアレキサンドライトレーザーを用いて治療を行っております。
(健康保険適応外)

4.膠原病

体内の免疫異常によって起こる膠原病にはいくつかの疾患が存在しますが、いずれも難治な疾患です。当院ではリウマチ・膠原病内科と協力しながら、ほぼすべての疾患に対して治療を行っております。
  • 全身性エリテマトーデス
  • 強皮症
  • シェーグレン症候群
  • 皮膚筋炎

5.その他疾患

静脈瘤           下肢の難治性皮膚潰瘍や長く続く湿疹がある方ではその原因が静脈瘤である可能性もあります。当院では静脈瘤のストリッピング術や高位結紮術などについても対応可能です。
水疱症 尋常性天疱瘡や水疱性類天疱瘡など、体に水ぶくれができる疾患です。
免疫抑制剤やこまめな皮膚の処置などを行う必要があり、必要に応じて入院での加療を行います。

スタッフ紹介

(令和4年4月1日現在)
役職 氏名 専門分野
部長・教授 森田 明理 乾癬・掌蹠膿疱症、アレルギー疾患、
難治性皮膚疾患(白斑・円形脱毛症)、小児皮膚科
副部長・准教授 加藤 裕史 皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌など)、
皮膚外科、皮膚感染症、化膿性汗腺炎
講師 中村 元樹 皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、メルケル細胞癌、血管肉腫など)、
がん全身療法、抗がん剤治療
助教 髙木 佐千代 アトピー・アレルギー性皮膚疾患、乳児血管腫、
レーザー治療、小児皮膚科
助教 中村 令子 レーザー治療、皮膚科一般
助教 山本 礼 乾癬、光線療法、アレルギー性皮膚疾患
円形脱毛症
助教 井汲 今日子 乾癬、光線治療
助教 松原 章宏 皮膚科一般
病院助教 奥田 佳世子 皮膚科一般
日下部 有希子 皮膚科一般
野尻 由佳 皮膚科一般
鳥居 寛 皮膚科一般
中島 真以 皮膚科一般
加納 慎二 皮膚科一般、皮膚悪性腫瘍、皮膚外科、フットケア
吉満 眞紀 皮膚科一般、皮膚悪性腫瘍、皮膚外科
中川 裕愛 皮膚科一般
金山 佳史 皮膚科一般
安井 由希子 皮膚科一般
榎本 由季 皮膚科一般
西村 香菜 皮膚科一般
蒲澤 真希雄 皮膚科一般
渡邉 大起 皮膚科一般
鈴木 彬子 皮膚科一般
安藤 史佳 皮膚科一般

外来担当者一覧



その他

当科で行う主な検査

光線テスト 主に光線過敏症の精査に用います。
皮膚生検 皮膚病変を一部採取し、顕微鏡で検査をします。
真菌検鏡 所謂水虫の検査です。はがれている皮膚などを採取し、顕微鏡で調べます。
パッチテスト 接触皮膚炎の検査です。原因となる物質を皮膚に貼り付けます。金属アレルギーや化粧品等のかぶれの検査です。
プリックテスト ほくろのがん(メラノーマ)などの転移アナフィラキシーや蕁麻疹など、急激に起こるアレルギー反応の原因を調べる検査です。当院では安全のため、1泊2日の入院で検査を行っています。
センチネルリンパ節生検 ほくろのがん(メラノーマ)などの転移を起こす皮膚がんに対する検査法で、放射線や色素を利用して最初に転移するであろうリンパ節(センチネルリンパ節)を見つけ出し、それを生検(最小限の数を取って検査する方法)して転移の有無を調べる方法です。

受診予約票はこちら

事前予約の取得方法

  1. 皮膚科外来受付にお電話をいただき、予約をお取りする方法
  2. 皮膚科外来受付に、直接来院し、予約をお取りする方法

電話番号:052-851-5511(代表)にて「皮膚科受付へ」とお伝えください。
お電話でのご予約は、平日午後1時~午後5時の間にお願いします。
診察予約をお受けした時に予約時間をお伝えしますが、当院を初めて受診される方は、診察券作成に若干時間がかかりますので、予約時間の15分程前に来院していただくようお願いいたします。(初診(当院を初めて受診される方)の流れ
紹介状をお持ちでない方は、診療費のほか「初診料加算額」として7,700円(税込)をご負担いただいておりますので、ご了承ください。(初診料加算額のお知らせ

※予約後の外来受診については、初診の流れをご参照ください。

皮膚科について詳しく知りたい方

皮膚科では、特設サイトを運営しています。
皮膚科についての詳しい内容については、皮膚科特設サイトも参照してください。

皮膚科特設サイトはこちら(別ウィンドウで開きます)