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リウマチ・膠原病内科


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診療科部長からのメッセージ

私どもの診療科では40年以上にわたり東海地区の関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど膠原病の患者さんの専門診療を行ってきました。近年の治療薬の進歩とそれらの薬剤を適切に用いた治療戦略により、難病であるこれらの疾患の治療成績は近年著しく向上しました。しかしながらこれらの疾患のほとんどは短期間で治ってしまうものはなく、継続的な治療が必要です。また依然として有効な治療法が乏しい疾患も存在し、病気の再燃や後遺障害、治療に関わる問題点(副作用や経済的負担)など解決すべき問題も多く抱えながら診療を行っています。
私たちは患者さんの症状によく耳を傾け、丁寧に診察し、的確な検査を行い、速やかに診断し、病気を安定化させるべく十分な初期治療を合併症対策とともに行い、安定化後には、病気の再発に注意しながら必要最小限の治療を行うことで治療に関わる問題点を最小限にするよう心がけています。また膠原病は全身性疾患であるため、各臓器の専門家とも連携して、患者さんに最も適切な診療を行うよう心がけています。

診療科の特色

リウマチ・膠原病内科では、全身の関節や筋肉などに痛みやこわばりを来すリウマチ性疾患の診断・治療を行っています。リウマチ性疾患には幅広い疾患が含まれますが、その中でも特に関節リウマチ、全身性エリテマトーデスをはじめとする免疫異常・炎症制御異常を伴ったリウマチ性疾患、すなわち膠原病の診療を主として行っています。また膠原病は、さまざまな内臓に障害を来しうる全身性疾患であることから、必要に応じて各臓器別の内科診療科、皮膚科、整形外科など病態上関係する診療科と密に連携し診療に当たっています。私たちは適切な治療を最新の知見に基づき、患者さんに提供できるよう心がけて診療に当たっています。

主な疾患

膠原病・リウマチ性疾患全般

  • 関節リウマチ
  • 悪性関節リウマチ*
  • 全身性若年性特発性関節炎*
  • リウマチ性多発筋痛症
  • 成人スチル病*
  • 脊椎関節炎(強直性脊椎炎*、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、SAPHO症候群など)
  • 全身性エリテマトーデス*
  • 全身性強皮症(全身性硬化症)*
  • 多発性筋炎*
  • 皮膚筋炎*
  • 混合性結合組織病*
  • シェーグレン症候群*
  • 血管炎症候群(高安動脈炎*、巨細胞性動脈炎*、結節性多発動脈炎*、顕微鏡的多発血管炎*、 多発血管炎性肉芽腫症(ウェジナー肉芽腫症)*、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(チャーグ・ストラウス症候群)*、クリオグロブリン血管炎、IgA血管炎など)
  • 再発性多発軟骨炎*
  • ベーチェット病*
  • 原発性抗リン脂質抗体症候群*
  • 家族性地中海熱*
  • IgG4関連疾患* など
*:難病医療法に基づく医療費助成対象の指定難病)

診療に対する心がけ

寛解到達・維持を目標とし、持続可能な関節リウマチ治療を目指します

関節リウマチは、関節を主座とした全身性炎症を来す疾患で、日本では約70万人(成人の約1%)の方が罹患している比較的ありふれた疾患で、初期には関節の痛みや腫れ、こわばりで発症し、持続する関節炎により徐々に関節構造が破壊され変形を来し、身体の機能が障害され就労や日常生活が困難になるとともに、内臓にも障害を来し、寿命を短くしうる疾患です。病気の診断には、主に触診による関節の炎症所見(腫れや圧痛)の検出が最も重要で、また血液検査で抗CCP抗体やリウマチ因子、炎症反応陽性、および関節症状が持続していることの有無と併せて診断します。また関節の画像評価では、通常行うレントゲン検査による評価に加えて、必要に応じて超音波やMRI検査によってより詳細な評価を実施しています。
関節リウマチは発症早期に関節破壊が最も進行することが近年の研究で明らかにされ、関節構造の破壊が進行してしまうと、残念ながら現在の医療技術では関節を元の状態に戻すことはできないため、早期診断・早期治療が治療成功のカギとなります。また診断・治療開始後も、関節炎が残存していては関節破壊が進行しうるため、関節炎の状態の綿密な評価とそれに基づいて関節炎を十分に抑制する治療を行う必要があります。血液検査が正常化していても、病気の進行が十分に抑えられていないことはしばしばありますので、関節の症状や全身の関節所見に注意する必要があります。
昨今、極めて有効な治療薬(メトトレキサートなどの合成抗リウマチ薬、生物学的抗リウマチ薬製剤などの分子標的抗リウマチ薬)の登場により、現在の治療目標は、それらの薬を適切に使うことによってほとんど症状がなく関節が腫れていない状態(いわゆる寛解)です。一方で、生物学的製剤などの新規治療薬の最大の問題点は、その高価な薬剤費負担であり、患者さん個人にとっては、それらの使用をためらう最も大きな理由の一つとなっており、社会全体ではリウマチ医療費の増大につながっています。
当科では関節リウマチなどの関節炎疾患の早期診断・積極的治療に取り組み、上記の目標を大多数の患者さんで達成しています。また比較的発症早期例では高価な生物学的製剤の併用が必要になっても、しっかりと病気の勢いを抑えた後、多くの患者さんで病気の早期に再発させることなく生物学的製剤を休薬できたことを報告しています。このようになるべく安価な治療で、安全に寛解状態を維持することを目標に、リウマチの診療に取り組んでいます。

膠原病に伴う難治性臓器障害に対して、免疫学・炎症学の基本的知識に基づいた最先端の治療法を提供します

関節リウマチ以外の膠原病は、当診療科において扱う主な疾患の項で提示したようなものがあり、10万人あたり1人以下から100人程度の疾患まで、比較的患者さんの数が少ない疾患が多数含まれます。いずれも筋骨格系のみならず皮膚、肺、腎、眼、耳鼻咽喉、消化器、心臓、血液、神経など、しばしば全身の諸臓器に障害を来しうる全身性疾患です。この範疇の疾患は比較的稀であり、臓器横断的な多彩な症状で発症しうるため、的確な病態診断および治療において専門的な知識と臨床経験が必要とされます。
また、これらの疾患ではしばしば副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などが使用され、多くの場合、それらの薬剤の適切な使用により疾患活動性が安定化するものの、長期にわたる治療が必要となるため、種々の副作用、合併症の全身的管理も非常に重要です。中でも副腎皮質ステロイド薬を大量に使用した場合に起こりうる非可逆的な副作用を避けるため、積極的に免疫抑制薬を併用し、ステロイド薬の総使用量を減らすことを心がけています。
またこれらの免疫を強力に抑える治療中は、感染症にかかりやすくなり、またかかった場合にはしばしば重症化するため、適切な予防、早期の的確な診断、治療が必要です。また私たちは、患者教育により病気の再燃や副作用出現の早期発見および生活指導や補助的な薬物療法による副作用予防などに力を入れて日常診療にあたっています。

患者さんへのお願い

病診連携により、リウマチ・膠原病専門診療の医療資源を適切に供給できるようご協力をお願いします

リウマチ内科・膠原病内科を標榜し、その診療を専門で行っている診療科がある病院は、東海地区ではあまり多くありません。このため多くの基幹病院から当科へご紹介を頂いており、遠方も含め多くの患者さんが通院されている現状があります。また一方でリウマチ・膠原病は、長期間の治療、経過観察を要する疾患です。その間には一般的な病気を合併症としてお持ちの患者さんや、また感冒など一般的な病気に罹患されることもあります。 専門診療をできるだけ多くの患者さんに提供できるよう、かかりつけ医との共同診療をお勧めしています。また治療によって、私共が安定した状態にあると判断した患者さんにおかれましては、これまでの経過や治療管理方針を記載した紹介状とともに近隣の医療機関への紹介転院を、担当医よりご提案させて頂く場合がありますので、その際には、ご協力いただきますよう宜しくお願いします。

臨床研究や治験へのご協力をお願いします

関節リウマチなどにおいて、治療薬開発に関わる治験や、多施設共同の医師主導研究、当科主導の観察研究や治療研究などを実施しています。患者さんにおかれましては、治験や臨床研究の趣意につきましてご理解いただき、参加頂きますようご協力をお願いいたします。

スタッフ紹介

(令和5年8月1日現在)
役職 氏名 専門分野
部長・准教授 難波 大夫 関節リウマチなど膠原病
副部長・講師 前田 伸治
病院助教 爲近 真也
山邊 徹
上原 幸治
磯谷 俊太郎
林 里音
野田 遥加
小林 東次郎

外来担当者一覧



リウマチ・膠原病内科について詳しく知りたい方

リウマチ・膠原病内科では、特設サイトを運営しています。
リウマチ・膠原病内科についての詳しい内容は、
名古屋市立大学大学院 医学研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学 ホームページを参照ください。

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