グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



当院について

2018年


名古屋市立大学医学部附属東部医療センターでは、千種ホームニュースに「紙上市民健康講座」を連載しています。
このページでは、過去の掲載分を紹介しています。
なお、記事の内容、肩書等は掲載時のものです。

心不全の予防と早期発見(2018年11月掲載)

心不全とは、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義されています。つまり、心臓病の最終像が心不全であり、我が国の死因第2位は心疾患であることからも、現代の高齢化社会において心不全は極めて身近な病気であると言えます。

その心不全には必ず原因があり、高血圧や虚血性心疾患、弁膜症や不整脈、感染症などがあげられます。心不全に対する治療法は進歩していますが、何より重要なことは予防と早期からの治療介入です。予防には減塩食や適度な有酸素運動、節酒・禁煙といった生活習慣の改善が大切であり、これからの時期においては、感染症の予防も重要です。手洗いやうがいを心がけ、栄養をしっかり摂り、適度な運動で感染に負けない身体づくりをしていきましょう。また、日ごろから血圧や体重測定を行い、自己の病状を把握し、体重増加や足のむくみ、動いたときの息切れなどを自覚したら、早めに医療機関に受診することをお勧めします。

名古屋市立東部医療センター
慢性心不全看護認定看護師/佐久間 大介

結核の話(2018年10月掲載)

昔は国民病と言われた結核ですが、徐々に減ってきています。しかし、人口10万人当たりの患者数を見ると10数人と、わが国は先進国の中ではまだまだ患者の多い国です。日本の中では、政令指定都市で見ると名古屋は大阪に次いで、人口当たりの患者数が多い都市になります。

結核はもともと若い人がかかる病気でしたが、現在では、かつて結核が流行っていた時期に感染(結核菌がからだに侵入すること)したけれども発病しなかった、または昔の治療で十分菌を殺せなかったなどの理由で、結核の菌がじっと体の中に潜んでいて、高齢になった時に発病するというケースが多くなっています。結核の症状は咳・痰・微熱などで、症状だけで判断することは難しい面があります。風邪かなと思っても2週間も1ヵ月も症状が続くようなときは、医療機関で検査を受けられるのがよいでしょう。また、積極的に健康診断を受けていただいて早期発見に努めていただくことも役に立ちます。

名古屋市立東部医療センター
地域医療センター長・呼吸器内科部長/前田 浩義

オーラルフレイル、口の衰え(2018年9月掲載)

皆さん、「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことがありますか?英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味し、2つの単語の掛け合わせで、『口を介した体の衰え』のことです。このオーラルフレイルは、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。早めに気づき適切な対応をすることでより健康に近づきます。オーラルフレイルの始まりは、滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥等です。対応としては、食事はよく噛むようにする、人と会話する、歯磨きや義歯の手入れなど毎日ケアする、定期的に歯科検診を受ける、歯周病やむし歯などで歯を失った際には適切な処置を受けるなども効果的です。東部医療センターでは、歯科医師、歯科衛生士と共に入院・外来患者さんの口腔ケアだけでなく、口腔機能に関することも定期的に取り組んでいます。

名古屋市立東部医療センター
看護部 摂食・嚥下障害看護認定看護師/竹内 久子

かかりつけ医についてのご相談(2018年8月掲載)

救急搬送件数7,700台、これは昨年度当院に救急搬送された件数です。突然の病気やけがで検査や治療を行い、その後はご自宅の近くなどの医療機関での継続治療をお勧めしております。「かかりつけ医を持っていないけどどうしたらいいの?」日頃健康に過ごされている多くの方がお困りになることと思います。当院地域医療連携センターではかかりつけ医をお持ちでない患者さんに「かかりつけ医」についてのご相談、ご紹介を行っております。医師から専門性に合った医療機関のうち「自宅の近くで」「通勤経路の範囲で」等患者さんのご要望にできる限り沿うようにご案内しております。ご紹介するときには当院での治療内容等が書かれた紹介状(診療情報提供書)をお渡ししており、安心して患者さんがかかりつけ医に受診できるよう配慮しております。
名古屋市立東部医療センター
地域医療連携センター長(呼吸器内科部長)/前田 浩義

感染予防(2018年7月掲載)

夏の主な感染症には、手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱・はやり目(アデノウイルス)などがあります。ヒトとヒト・モノとヒトが触れる接触感染、咳やくしゃみなどの飛沫感染のほか、便の中に排出したウイルスが口から入って感染する糞口感染などで感染がひろがります。

感染対策には、米国の疾病予防センターが提唱する「標準予防策」という考え方があります。具体的には「血液や体液に触れる際は手袋を着用する」「ヒトと接触する前後、採血や内服の介助などの清潔行為の前、体液に触れた後、手袋を外した後には手指衛生を行う」などです。これは、東部医療センターでも実施している対策です。

ご家庭でできることは、手洗いの徹底、タオルの共有は避ける、水分をこまめにとる、マスクを着用することに加え、ドラッグストアなどで簡単に手に入る消毒剤を利用するとより効果的です。手指消毒剤を玄関に置いて手指の衛生管理を行い、外部からの病原菌の侵入を防いで感染予防に心がけていきましょう。

名古屋市立東部医療センター
看護部 感染管理認定看護師/松下 美加

産後に向けて妊娠中から相談者を作りましょう(2018年6月掲載)

近年は核家族化、晩産化などにより、妊娠・出産において支援者の確保が難しいといわれています。また、妊娠・出産はホルモンバランスが大きく変化するため、幸福感に包まれたかと思うと急にイライラしたり涙もろくなったり、心理的な変化が大きいのが特徴です。様々な不安を軽減して楽しく育児を行うためには、定期的な妊婦健診を受けるとともに、妊娠中から相談できる人や場所を確保して育児環境を整えておくことが大切です。

当院では、日本助産評価機構の認定を受けたアドバンス助産師を中心に、妊娠中から産後まで地域の保健所などと連携を図りながら妊産褥婦の皆さんをサポートしています。母親教室にはエクササイズやヨガのクラスがあり、心身のリフレッシュが図れるよう支援しています。助産師外来等で助産師が個別に相談に応じていますので、不安なことや心配なこと等お気軽にご相談ください。

名古屋市立東部医療センター
南1階病棟助産師長/間瀨 有里

カーボカウント法による糖尿病の栄養指導(2018年5月掲載)

栄養素の中で炭水化物が食後の血糖値を上昇させる強い作用を持っています。カーボカウント法とは、食事中の炭水化物量を計算することで血糖値を調整しようという考え方で、食べるカーボ数に合わせて血糖値を下げる薬(インスリン)の量を調整する糖尿病の食事療法の一つです。具体的には、炭水化物10g=1カーボと換算します。ご飯150g(お茶碗軽く1杯)は炭水化物55gを含むので、5.5カーボということになります。それに対して、刺身や塩・胡椒で味付けたステーキは炭水化物をほとんど含まないので、0カーボです。大まかに分けると、主食やイモ類、果物、乳製品とみりんや砂糖などの調味料を使ったものはカウントしますが、肉や魚、豆腐、卵、油脂類、野菜類はカウントする必要はありません。当院では1型糖尿病患者さんに向けてこの方法を取り入れています。脂質やたんぱく質の細かい計算までしないので、食生活にゆとりを持つことができる食事療法といえます。
名古屋市立東部医療センター
栄養管理科副部長/豊福 千夏

あなたの痛み、教えてください(2018年4月掲載)

がん性疼痛看護認定看護師の柴田真智子です。がん性疼痛看護認定看護師とは、がんによる身体の痛みや、心の痛みを和らげることを専門に学んでいる看護師です。がんによる苦痛や、がんの治療に伴う苦痛を完全に取り除くことはできませんが、和らげることは可能です。

日本人は文化的背景として、「先生は、言わなくても分かってくれる。」というお任せ医療や、「無理を言って先生の手を煩わせてはならない。」と良い患者を演じてしまう傾向から、苦痛を我慢してしまうことがあります。しかし、患者さんが抱える苦痛は、患者さんにしかわかりません。患者さんが抱える苦痛を医療者に伝えていただくことで、初めてその苦痛に対処することができます。私たちは、がん患者さんやご家族が少しでも自分らしく生活できるようお手伝いしたいと考えています。気になる症状がありましたらどんなことでも結構です。是非ご相談下さい。
名古屋市立東部医療センター
看護部 がん性疼痛看護認定看護師/柴田 真智子

乳がん検診の勧め(2018年3月掲載)

近年乳がん患者は増加し、年間7万人以上の人に発症し、日本人女性は一生に12人に1人が乳がんになると言われます。女性のがんで一番多いのが乳がんです。しかし乳がんは早期のうちに治療をすれば、完治する可能性が高いのです。
乳がんは、自分で乳房のしこりに気づくことで発見できるがんです。

『自己乳がん検診』は自分で自分の乳房を診察することです。おすすめの方法は、入浴時にタオルを使わずに『素手で乳房を丁寧に洗う』ことです。この方法は入浴時に毎回行えます。
乳房にしこりがある、乳首にただれがある、今までと違う感じだなと思ったら、乳腺外科、乳腺科、外科(あるいは婦人科)を受診してください。かかりつけ医に相談なさっても結構です。

『自己乳がん検診』で乳房に異常がない人は『乳がん検診』を受けてください。40歳以上の女性は2年に1回、マンモグラフィ撮影での検診を受けることができます。最近、乳がん検診では視触診を省略してもよいことになりました。問診で『自分でしこりを触れない』と記入すると『しこりなし』と判定されます。

ただし東部医療センターの乳がん検診では視触診の省略はしていません。
近年では『乳がん検診』で乳がんの早期発見ができ、乳房を失わずに治療できる患者が増加しています。

名古屋市立東部医療センター
地域医療連携センター長(乳腺・内分泌外科部長)/羽藤 誠記

がん化学療法を受ける患者さんへの看護(2018年2月掲載)

がん患者は年々増加しており、2人に1人はがんになると言われています。その反面、抗がん剤の開発が進み、がん治療をしながら生きていく時代になってきています。がん治療は、手術療法、放射線療法、化学療法の3つが基本です。局所的に治療をする手術療法や放射線療法に対し、化学療法は点滴や内服薬で抗がん剤を投与するため全身に影響を及ぼします。様々な副作用が出現するため、それを上手く対処しながら生活をしていかなくてはなりません。

当院で化学療法を受ける患者さんの多くは外来で治療を受けられており、外来化学療法室では、自宅で起こる副作用を患者さん自身が対処していく「セルフケア」を支援しています。使用する薬剤によって予測される症状を説明し、どのような対処方法が自宅で可能なのかを患者さんとともに考えます。患者さんの声に耳を傾け、通常により近い状況で日常生活が送れることを目標にしています。
名古屋市立東部医療センター
南5階病棟看護師/佐々木 恵

薬と健康食品(2018年1月掲載)

近年、健康に対する意識が高まっており、皆さんの中にも、健康の維持、栄養の補給、病気の予防、疲労回復などの目的で健康食品やサプリメントを使用している方がおみえだと思います。この健康食品やサプリメントと医薬品との間で好ましくない相互作用が起こることがあるため、注意が必要だということをご存知でしょうか。

例をあげると、ビタミンKを含むクロレラや青汁などの食品により抗凝固薬の効果が弱くなるとか、カルシウムやビタミンDなどのサプリメントで心不全治療薬の効果が強くなりすぎて有害な作用が出てしまうなど、いろいろな相互作用が知られています。

健康食品やサプリメントには特定の成分が通常の食品より多く含まれているため、注意が必要です。医薬品を服用しているときには健康食品やサプリメントを使用しないのが一番安全なのですが、使用する場合には医師や薬剤師に相談のうえ使用するようにしましょう。
名古屋市立東部医療センター
薬剤科部長/森下 修行