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東部医療センター広報誌「風の道」

風の道 Vol.32(2022年12月発行)



より良い医療を目指して ~東部改革~

今回の東部医療センター広報誌「風の道」は循環器内科の専門医としてご活躍されています連携医の井上内科クリニック 井上夏夫院長をお招きし、当院の循環器内科 山下診療科部長と対談していただきました。対談では、当院との病診連携の在り方や当院で始まった心不全の地域連携パスなどについてご意見をいただきました。
:井上内科クリニック 井上院長
:当院循環器内科 山下診療科部長

山下
本日は地域の先生方と当院の連携について、忌憚のないご意見をお願いいたします。
井上
東部医療センターにはコロナ禍でありながら、紹介患者を受けていただき感謝しています。
病診連携にとって必要なのは、双方向性の関係だと思います。患者さんの紹介・逆紹介の流れがスムーズであることは非常に大事ですね。
東部医療センターにはTOBUネットという電子カルテをクリニックでも見られるシステムがありますが、紹介した患者さんの情報を共有するツールとして重宝しています。ただ、使用する際に、若干敷居が高いと感じることがあります。特に救急の場面など、患者さんにTOBUネットの同意を取る余裕がないことが多いです。とはいえ、救急疾患の場合こそカルテで経過を把握したいので、簡単な同意でカルテを見られるよう工夫していただけると大変ありがたいです。
山下
すでに当院にカルテのある患者さんであれば、非緊急時にあらかじめ同意をとって頂くのはいかがでしょうか。当院としてもTOBUネットを積極的に発信し、患者さんに関心を持っていただくことで、事前の同意についてご理解をいただけるよう取り組んでいければと思います。
井上
あらかじめ同意を頂いておくというのはとても大事かもしれませんね。
山下
TOBUネットはまだまだ課題もあり、その課題に対して将来的な構想はありますが、まずは現在のシステムを利用して先生方からご紹介いただきやすい形を整えたいと考えております。

井上院長

井上
次に、逆紹介の際に紹介先の医師がどういう特徴を持っているのか、何が専門なのかなどを知っていただきたいですね。我々は医療機関便覧を発行していますが、あまり活用していただけていないのかなと思います。例えば、在宅医療を提供しているかどうかといった紹介元の医師の特徴を把握し、紹介元の医院に戻していただきたいと思います。
山下
そのような情報を盛り込んだマップがあると逆紹介の際に助かりますね。
井上
マップもありますよ。各診療科の外来と地域連携室に配らせていただけたらと思います。
山下
ぜひ活用させていただきます。当院でも遅ればせながら心不全の地域連携パスを始めさせていただいており、少しずつ地域に浸透していくといいなと考えています。その場合でもそれぞれの先生方のご要望というのが少しずつ異なりますので、そうしたものも含めて情報を頂けるとよりニーズに合った連携が出来ていくのではと思います。
井上
院内設備としてどんなものがあるのか、専門が何であるのかは必須ですね。

山下診療科部長

山下
地域連携パスについては他にも様々な取り組みを始めていますが、やはり当院にとっては地元の医師会の先生方が一番大事なネットワークですので、パスを上手く使いながら、患者さんの健康をより良くできればと考えております。心不全は、ひとたび診断されると生涯お付き合いする病態ですので、多職種でしかも病院やクリニック、訪問看護など地域全体で診ていく必要があると思います。ぜひとも地域の先生方にも心不全シートや連携パスの問題点や改善点などのご意見を頂戴できればと思っております。
井上
あとは、コロナ禍で研究会ができないのは残念に思っています。循環器領域では非常に有用な新薬がたくさんでてきています。非専門医の先生方には新薬は怖くて使えないという方もいますし、そういった先生方が研究会に参加して新しい知識をつけていただく機会が失われているのは残念です。コロナがもう少し落ち着いてきたら、ぜひ勉強会を対面の形で実施していただきたいです。やはり顔が見える関係であることが非常に大事だと思います。
山下
双方向性の症例検討会といったディスカッションもできるとより良いのかなと思います。
井上
我々からも症例を出していくのはいいですね。まとまった数の総評を東部の先生にしていただいて、双方が話すという会がいいでしょうね。
山下
最後にお尋ねしたいのがACP(Advance Care Planning)のことです。心不全の患者さんにとってどういう終末期を迎えるかは非常に重要だと思います。先生は在宅もされていますので、患者さんの本音やご家族の思いを受け止められる機会が多いのではないでしょうか。
井上
そうですね。病状、性格、年齢、必要になる道具や受けている治療も違う中で本当にこれはケースバイケースで対応していくしかないのかなと思います。医師会でもACPの手帳を区役所と連携して発行したことがありますが、まだまだ広く普及しているとは言えないのが現状です。どういった形がいいのか難しいところです。
山下
入院されて、病状が少し落ち着いて家に帰れるとなった時に我々でもそういったお話をさせていただいて、その情報を連携パスや情報シートでお伝えすることができれば先生方の診療にも貢献できるのではないかと考えています。今後、さらにもう一歩踏み込んで先生方に有用な情報を提供できるように頑張って参ります。本日は貴重なお話ありがとうございました。
◆ 次号では、連携医の医療法人エルム伊藤クリニック 伊藤友博先生といのまたクリニック 猪又雅彦先生をお招きし、当院呼吸器内科 前田浩義診療科部長との対談を予定しています。

今回ご協力いただいた連携医のご紹介

井上内科クリニック
名古屋市千種区覚王山通8-70-1 サンクレア池下4階 医療フロア内
電話 052-764-5516
院長 井上 夏夫

TOBUネットについて

東部医療センター病院紹介

心不全ハートノート

心不全ハートノート

日々の記録用紙

医療福祉連携シート

「心不全」とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気です。心不全は一度進行すると戻ることができないという特徴がありますので、進行させないための「予防」が重要になります。
心不全の予防において重要なことは、セルフモニタリングと有症状の際の療養行動です。また、在宅療養を支える方々と医療機関の連携も重要です。
そのため、当院では、自己管理・連携のツールとして[心不全ハートノート]を作成いたしました。心不全の患者さんに対して[心不全ハートノート]お渡しし、予防のポイントをお伝えしています。
[心不全ハートノート]を在宅療養にぜひご活用ください。

ヘルシーレシピ ~栄養管理科~

当院の管理栄養士が、栄養やカロリーを考慮したヘルシーで美味しいレシピをご紹介!ご家庭にある材料で簡単に作ることができるレシピです。是非お試しください♪

~減塩レシピ~
鶏肉と野菜のカレートマト煮

料理写真

★栄養量(1人分)
カロリー 192kcal

たんぱく質…11.4g
糖質…………1.6g
食物繊維……4.5g
脂質…………12.4g 
塩分…………1.1g
材料(2人分)
鶏もも肉………………60g
ブロッコリー…………1/3個
にんにく………………ひとかけ
オリーブ………………油小さじ2
蒸し大豆………………50g
カットトマト水煮缶…200g
カレー粉小さじ………1/2
塩小さじ………………1/3
こしょう………………少々
作り方
①鶏肉を一口大に切る。
②ブロッコリーは小房に分け、にんにくは薄切りにする。
③なべにオリーブ油とにんにくを入れ、弱火で熱し、香りが立ったら、鶏肉を入れ中火にする。
④両面に焼き色がついたらAとブロッコリーを加える。
⑤煮立ったら弱めの中火にしてふたをし、時々混ぜながらブロッコリーが柔らかくなるまで10分ほど煮る。
♪ポイント
ナトリウムの排泄を増やすカリウムは野菜や豆にたっぷり。ただし、カリウムは水に溶け出しやすいため、トマト缶は汁ごと、ブロッコリーは下茹でせずに使用することがおすすめ。また、煮汁が多いとその分調味料が増え、塩分も高くなりがち。加える水分は最小限にしましょう。
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