先輩の声⑧ 緩和ケア認定ナース
大切なのは「近くに行く」こと
緩和ケア認定看護師(専門的看護係/転職入職/11年目)
緩和ケア認定看護師(専門的看護係/転職入職/11年目)
Profile
出身 | 名古屋市出身 |
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卒業校 | 名古屋市立大学看護短期大学部 |
趣味や休日の 過ごし方 |
ジムでの運動、コンサート(THE ALFEEの大ファン) |
緩和ケアに興味を持ったきっかけを教えてください
昔、名古屋市立大学病院の外科病棟に勤務していたことがあり、なかなか痛みが取れない患者さんだったり自宅に帰りたくても帰れない患者さんをたくさん見てきました。「何かお役に立ちたいけれど、何もできない…」。そんな状況が悔しくて、自分なりにいろいろ情報をかき集め、辿り着いたのが緩和ケアだったんです。
認定看護師を取得した経緯を教えてください
緩和ケアに興味を持ち始めた頃、当時の守山市民病院(現 東部医療センター守山市民病院)に緩和ケア病棟ができることを知り、すぐに転職しました。同時に「どうせやるならとことん突き詰めたい」と思い、認定看護師教育過程の受講もスタートさせました。とは言え、当時はまだ緩和ケアというものがあまり周知されておらず、足を踏み入れること自体かなりハードルが高かったのですが、仲間たちからの応援もあって認定取得を実現させました。
所属する専門的看護係での業務について教えてください
専門的看護係は2年ほど前に新設されました。読んで字のごとく、さまざまな分野の認定や専門的な知識を持った看護師が中心となり、診療科や病棟の垣根を越えたトータルな緩和ケア活動を行っています。この係ができる以前も独立した緩和ケアチームのようなものが存在していましたが、明確な部署として立ち上がったおかげで、病院全体における緩和ケアの位置付けが大きく向上したと感じています。
専門的看護係の今後の目標などはありますか?
具体的な活動内容をわかりやすく発信し、病院内での“見える化”をしていきたいです。そうすることで病院スタッフはもとより、患者さんや地域の人たちに対しても、広く緩和ケアに対する意識を啓蒙していけると考えています。また将来的には、近隣の介護施設やデイサービスなどと連携し、より地域に根ざした緩和ケア活動にもチャレンジしていきたいです。
緩和ケア認定看護師として大切にしていることは何ですか?
「近くに行く」ことですね。看護師なら誰もが経験すると思いますが、患者さんとの関係性を築いていく中で、どうしてもしっくりこなかったり、見えない壁みたいなものを感じてしまうことがあるんです。そうすると、どうしてもその患者さんとは距離をとるようになるのですが、そんな時こそ「近くに行く」ことを実践しています。嫌な態度を取られても良い、互いに何もしゃべらなくても良いんです。答えはつねに患者さんが持っているので、私たち看護師はそのヒントがこぼれ落ちるのを待ち、できるだけ近くで拾い上げることが大切なんだと考えています。
これから看護師を目指す方へのアドバイスをお願いします
最近の新人看護師を見ていると、患者さんと会話したりコミュニケーションを取ることに苦手意識や不安を抱いている人が多いように思います。ですので、学生時代に接客業のアルバイトをしてみるなど、看護以外のところでも人との関わり合いを持つ練習をしておくと良いかもしれませんね。ただ、コミュニケーション能力というのは技術的な要素も大きいので、どんなに人見知りな性格であっても、場数や経験を重ねることで自然とできるようになってきますから安心してください。
最後に西部医療センターのPRをお願いします!
緩和ケアに少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひ一度、私たちの活動を知っていただけたらと思います。専門的看護係のさらなる発展・充実のために、あなたの力をお貸しください!