風の道 Vol.30(2022年5月発行)
より良い医療を目指して ~東部改革~
東部医療センター広報誌「風の道」はこのたび全面リニューアルを行い、地域医療機関との連携の深化を基軸とする紙面に生まれ変わりました。東部医療センターがどのようにすれば先生方の、また地域住民のお役に立てるかについて、先生方から当院医師が座談会の形式でご意見を頂戴し、その記録を中心に掲載してまいります。リニューアル第一弾として、東部医療センターの所在地である千種区の岩田医師会長(東名古屋画像診断クリニック理事長)をお招きし、名市大医学部附属病院群となった東部医療センターに対するご評価、課題、また当院への期待などについてご意見をいただきました。
左:千種区医師会岩田会長 右:大手病院長 |
東部医療センターの地域における役割について、大学病院化してから1年間経った書簡について
大手
平素は千種区の医師会の皆様には大変お世話になっております。当院の大学病院化に際して、岩田会長が私に「なぜ大学病院化するのか」と問われたことを覚えています。岩田会長が危惧されていた点はどういったことだったでしょうか?
平素は千種区の医師会の皆様には大変お世話になっております。当院の大学病院化に際して、岩田会長が私に「なぜ大学病院化するのか」と問われたことを覚えています。岩田会長が危惧されていた点はどういったことだったでしょうか?
岩田
大学病院というと、診療科間の横の連携が薄いというイメージがあります。紹介した先生の専門分野外だと、そのまま患者さんが帰ってきてしまうこともあります。東部医療センターは診療科間の横の連携がきちんとできていて、安心して患者さんを紹介できるという印象がありました。それが大学病院化することで、縦割りの病院になってしまうのではないかと危惧していたところです。
大学病院というと、診療科間の横の連携が薄いというイメージがあります。紹介した先生の専門分野外だと、そのまま患者さんが帰ってきてしまうこともあります。東部医療センターは診療科間の横の連携がきちんとできていて、安心して患者さんを紹介できるという印象がありました。それが大学病院化することで、縦割りの病院になってしまうのではないかと危惧していたところです。
大手
大学病院化したとはいえ、地域の開業医の先生方や近隣の医療機関との連携は東部医療センターにとっての生命線と考えております。そのためにも、ご指摘の診療科間の横の連携を引き続きしっかり取り組んで参ります。
大学病院化したとはいえ、地域の開業医の先生方や近隣の医療機関との連携は東部医療センターにとっての生命線と考えております。そのためにも、ご指摘の診療科間の横の連携を引き続きしっかり取り組んで参ります。
岩田
1年間を振り返って、私が危惧していたような点は会員から意見も出ておらず、滞りなく順調にやっていけているのではないかと思います。
1年間を振り返って、私が危惧していたような点は会員から意見も出ておらず、滞りなく順調にやっていけているのではないかと思います。
東部医療センターの方向性について、これから期待すること
大手
当院の強みは救急医療ですが、今後はそれ以外の診療にも力を入れていきたいと思っています。ずばり開業医の先生方が当院に期待することは何でしょうか。
当院の強みは救急医療ですが、今後はそれ以外の診療にも力を入れていきたいと思っています。ずばり開業医の先生方が当院に期待することは何でしょうか。
岩田
東部医療センターは開業医からのCTの予約を受け付けていると思いますが、開業医で受診した患者さんを即日東部でCT撮影に紹介することはできますか。
東部医療センターは開業医からのCTの予約を受け付けていると思いますが、開業医で受診した患者さんを即日東部でCT撮影に紹介することはできますか。
大手
救急のCTは即日対応可能ですが、開業医の先生方からのご依頼は即日対応ができていません。即日対応の仕組みを早急に考えたいと思います。
救急のCTは即日対応可能ですが、開業医の先生方からのご依頼は即日対応ができていません。即日対応の仕組みを早急に考えたいと思います。
岩田
開業医が求めているのは、即日予約できるCTやMRIだと思います。東名古屋画像診断クリニックでは取り入れていますが、開業医からは好評です。
開業医が求めているのは、即日予約できるCTやMRIだと思います。東名古屋画像診断クリニックでは取り入れていますが、開業医からは好評です。
大手
東名古屋画像診断クリニックでは、たくさんの患者さんに対応できるようなかなり高性能のCTを導入されておられますね。
東名古屋画像診断クリニックでは、たくさんの患者さんに対応できるようなかなり高性能のCTを導入されておられますね。
岩田
東名古屋画像診断クリニックでは高性能のCT(SOMATOM Force)を導入しており、スピードが速く、画質も良く、患者さんへの被ばく線量は少ないです。今は検査の枠が埋まってしまっているくらいフル稼働しています。他の総合病院でも同様の取組みをしているようですので、今後対応していただけることを期待しています。
東名古屋画像診断クリニックでは高性能のCT(SOMATOM Force)を導入しており、スピードが速く、画質も良く、患者さんへの被ばく線量は少ないです。今は検査の枠が埋まってしまっているくらいフル稼働しています。他の総合病院でも同様の取組みをしているようですので、今後対応していただけることを期待しています。
次回へ向けて
大手
大学病院化を機に医師の配置が大きく変わり、新体制に移行しております。例えば内分泌・糖尿病内科には、昨年度から新たに髙木博史診療科部長が着任しており、患者さんからとても高い評価をいただいております。髙木博史診療科部長は名大医局出身ということもあり、これまで当院があまり連携のなかった開業医の先生方との連携も深めていけると期待しています。
今後、糖尿病の地域連携のプラットフォームを作り、連携する先生方とのスムーズなやり取りができれば、地域の患者さんにも大きなメリットになるのではないかと考えています。
大学病院化を機に医師の配置が大きく変わり、新体制に移行しております。例えば内分泌・糖尿病内科には、昨年度から新たに髙木博史診療科部長が着任しており、患者さんからとても高い評価をいただいております。髙木博史診療科部長は名大医局出身ということもあり、これまで当院があまり連携のなかった開業医の先生方との連携も深めていけると期待しています。
今後、糖尿病の地域連携のプラットフォームを作り、連携する先生方とのスムーズなやり取りができれば、地域の患者さんにも大きなメリットになるのではないかと考えています。
岩田
確かに、千種区内で糖尿病をメインにやっている医院はだいたい名大出身という印象があり、東部医療センターより名大へ紹介するような印象があります。そういった医局の垣根を超えた地域連携の形を作るのは私も賛成したいと思いますので、次回の対談に向けて会員の開業医を紹介いたします。
確かに、千種区内で糖尿病をメインにやっている医院はだいたい名大出身という印象があり、東部医療センターより名大へ紹介するような印象があります。そういった医局の垣根を超えた地域連携の形を作るのは私も賛成したいと思いますので、次回の対談に向けて会員の開業医を紹介いたします。
今回ご協力いただいた連携医のご紹介
医療法人 名古屋放射線診断財団 東名古屋画像診断クリニック
名古屋市千種区自由ヶ丘3丁目4番26号(愛知県がんセンター隣)
電話 052-764-1711(代表)
理事長 岩田 宏
医院ホームページはこちら
名古屋市千種区自由ヶ丘3丁目4番26号(愛知県がんセンター隣)
電話 052-764-1711(代表)
理事長 岩田 宏
医院ホームページはこちら
次号では、連携医のソレイユ千種クリニック 木村那智院長、とみなが内科 富永隆史院長をお招きし、内分泌・糖尿病内科 髙木博史診療科部長との対談を予定しています。 |
病院ニュース
患者さんにより良い医療を提供できる体制を整えるべく、2022年4月より3つのセンター(先進がん治療センター、血液浄化療法センター、摂食嚥下センター)を開設しました。今回は各センターの概要をご紹介します。
先進がん治療センター
東部医療センターでは救急医療や脳血管・心血管疾患治療に重点を置き診療を進めてきましたが、一般診療としてがん診療は各診療科において手術、化学療法、放射線治療が行われています。低侵襲手術としては、従来の腹腔鏡に加え2021年8月にダビンチ・システムが導入され、悪性腫瘍手術が開始されています。今後は各部門を統括する組織として2022年4月より「先進がん治療センター」を設置し、がん拠点病院の指定を目指してまいりますのでご支援をよろしくお願いいたします。(先進がん治療センター長:村上 勇)
血液浄化療法センター
血液浄化療法センターが開設されました。すでに同じ名前の部屋としてありましたが、今回センターとしての機能を持つことになりました。透析治療などの血液浄化を受けられる方からのご希望、ご意見を病院に伝えやすくなります。当センターは透析患者の皆様の代弁者としての役割をよりスムーズに果たせるようになったと思っております。ぜひ当センターを活用して、安心して治療を受けていただきたいと思います。(血液浄化療法センター長:鈴木 大成)
摂食嚥下センター
摂食嚥下障害は、生活の質の低下、栄養障害、そして誤嚥性肺炎を引き起こすため非常に重要な障害です。また、本邦では摂食嚥下障害患者が急速に増加しています。以上を踏まえ、2022年4月より東部医療センターでは「摂食嚥下センター」を開設することとなりました。本センターは耳鼻咽喉科、歯科、リハビリテーション科、脳神経内科、脳神経外科、内分泌・糖尿病内科の医師、摂食嚥下障害認定看護師、言語聴覚士、薬剤師、歯科衛生士など多職種のスタッフで構成されますが、多科・多職種のチームで緊密な連携をとり、摂食嚥下障害に対してより高度な治療を提供していきます。(摂食嚥下センター長:鈴木 元彦)
ヘルシーレシピ ~栄養管理科~
当院の管理栄養士が、栄養やカロリーを考慮したヘルシーで美味しいレシピをご紹介!ご家庭にある材料で簡単に作ることができるレシピです。是非お試しください♪
洋風茶碗蒸し
栄養量(1人分)
69kcal
たんぱく質…6.1g
脂質…………4.3g
炭水化物……2.5g
塩分…………1.2g
69kcal
たんぱく質…6.1g
脂質…………4.3g
炭水化物……2.5g
塩分…………1.2g
材料(2人分) |
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卵………………………2個 アスパラガス………2本 しめじ……………1/4個 ハム…………………100g お湯…………………300ml 固形コンソメ……大さじ1 塩………………………少々 こしょう……………少々 |
作り方 |
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1)お湯にコンソメを溶かし、粗熱をとる。 2)アスパラは表面をむき、斜め切りにし、パプリカは長さ3cmほどの薄切りにする。しめじは石づきをとり、ほぐしておく。ハムは3cm×1cm程度の短冊に切っておく。 3)卵を割りほぐし、1)を加えて泡立てないように混ぜる。 4)器に2)の具材を入れ、3)の卵液を流し入れ、アルミホイルをかぶせる。 5)鍋の1/4程度に水を入れて沸騰させる。器ごと鍋に入れ、箸を挟んで隙間を少し開けて蓋をして強火で3分、弱火で10分加熱する。火を止めてそのまま3分蒸らす。 |
♪ポイント
和風だしではなく、コンソメを使った洋風の茶碗蒸しです。野菜がごろっと入っているので食べ応えのある一品です。
和風だしではなく、コンソメを使った洋風の茶碗蒸しです。野菜がごろっと入っているので食べ応えのある一品です。
新任・退任医師紹介
新しい先生を多数お迎えしました。
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