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名古屋陽子線治療センター
センター長 荻野浩幸

名古屋陽子線治療センターは東海3県初の粒子線治療施設として2013年2月に治療を開始しました。東海地方を中心にそれぞれの領域の専門家の方々のご意見をいただき、プロトコール(治療手順)の整備を行いながら前立腺がんの治療から開始し、順次適用部位を拡大してきました。2014年1月にはアジア初となるスポットスキャニング法の治療を開始し、その後、強度変調陽子線治療(IMPT: intensity modulated proton therapy)へと発展させることができました。

2016年4月からは小児腫瘍に対する保険適用がなされ、市内中核施設の先生方のご協力を得て7月から治療を開始することができました。また、2016年4月からは国内陽子線治療を有する全施設が統一の治療基準に基づいて診療を行い、治療を受けられた方々のデータを個人情報に十分に留意しながらデータベースに登録し、解析することでエビデンスの確立をめざす体制が整いつつあります。

2021年4月の段階では小児腫瘍、頭頚部癌の一部、骨軟部腫瘍、転移の無い前立腺癌以外の統一治療基準に基づいた対象疾患の方への医療制度は先進医療となっておりますが、今後さらなる保険診療への移行拡大についても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、院内外の関連診療科との更なる協力体制のもと、皆さまに安心して診療を受けていただける仕組みづくりに取り組んでいく所存です。
2021年4月
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