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肝・膵臓内科

診療科部長の紹介

肝・膵臓内科 中沢 貴宏

当科では、最新の診断、治療をより安全に提供できるようスタッフ一同心がけています。
肝疾患においては、B型、C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法(インタ-フェロン療法、核酸アナログ療法)、のほか、肝癌に対して肝動脈塞栓療法、経皮経肝エタノール局注療法、ラジオ波焼灼療法による内科的治療をしています。最近では肝炎、肝硬変、肝臓癌全てにおいて地域医療の中心的な役割を担っております。また最近注目されてきているNASH(非アルコール性脂肪肝炎)についても研究を進めております。肝臓病は息の長い病気です。ご自身の状態と病気の病態を正しく把握して頂くためのお手伝いをいたします。10年前と比べ肝臓病の治療は目覚ましく進歩していますので、ご相談ください。
膵臓・胆道系の疾患においては、常に最先端の治療を導入するとともに、より侵襲が少なく有効性の高い治療法の開発に力を注いでいます。膵胆道系の治療はめざましく進歩しつつあり、常に最新の医療を提供できるよう努めています。少しでも膵臓、胆嚢、胆管の病気でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

診療科の特色

肝・膵臓内科は肝臓・膵臓領域の急性および慢性疾患を取り扱い、特にウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法や肝癌、膵癌、胆道癌に対する集学的治療を行っています。

診療・治療に対する心がけ

慢性肝炎に対して新規抗ウイルス薬を早期より導入し、B型・C型ウイルスの完全消失を目指しながら肝臓癌の発癌の予防・早期発見に努めています。肝臓癌に対しては、ラジオ波焼灼術をはじめ化学療法、放射線療法など最新の集学的治療を導入して治療効果を向上させると同時に、患者さんの病期に応じた適切な治療を行うよう心がけています。

膵癌、胆道癌に対しては、腹部エコー、CT、MRI、内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査、超音波内視鏡を積極的に導入し、患者さんのQOL(生活の質)を第一に考慮し、手術療法・化学療法等を適切に選択しています。閉塞性黄疸など緊急を要する患者さんに対しては、常時対応できる状態を取っています。

主な疾患

1.肝臓

ウイルス性肝炎、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変
肝細胞癌(肝臓癌)
脂肪肝、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)
原発性胆汁性肝硬変
自己免疫性肝炎
アルコール性肝障害
薬剤性肝障害
肝膿瘍
胃食道静脈瘤

2.膵臓・胆嚢・胆道

急性膵炎、慢性膵炎、膵石症
自己免疫性膵炎
膵臓癌、膵内分泌腫瘍
胆嚢結石症、胆管結石症
胆嚢炎
胆道癌(胆嚢癌、胆管癌)
原発性硬化性胆管炎

主な治療法

1.肝臓

  • 急性肝炎
    肝炎ウイルス(A型、B型、C型、E型など)に感染した後、急激に血液中のGPTやビリルビンが上昇する疾患で、黄疸(肌や白目が黄色くなる)、尿の色が濃くなる、だるい、食欲がないなどの症状がでます。劇症化の危険性もあるので、黄疸や尿の色が濃くなったら直ぐに受診してください。
  • 慢性肝炎
    C型あるいはB型肝炎ウイルスが持続的に感染するため血液中のGPTが上昇する状態で、長期に経過すると肝硬変や肝細胞癌に進行する場合があります。抗ウイルス治療で治癒する場合があり、積極的な治療が重要で、最近ではpeg-INF療法、核酸アナログ療法が開発され、使用されています。
  • 肝硬変
    慢性肝炎が進行し、肝臓が硬く萎縮して、その働きが低下した状態です。ひどくなれば黄疸や腹水、意識障害、食道静脈瘤、肝癌が出現するため、外来での充分な管理が重要です。
  • 肝細胞癌(肝臓癌)
    特にC型やB型肝炎ウイルスに感染している人に多く発生します。早期発見のためには定期的なエコーやCTなどの画像診断と血液検査を行います。早期に発見すれば、ラジオ波治療などの新しい治療や外科手術によって良好な治療成績が得られます。その他、肝動脈塞栓療法、経皮経肝エタノール局注療法による内科的治療も行っています。
  • 脂肪肝、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)
    近年メタボリックシンドロームが注目されてきていますがその肝臓表現系ともいえるNASHの診断と治療に積極的に取り組んでおります。最近の研究でNASHのなかには肝硬変に移行するものもあり注意深い観察が必要です。
  • 原発性胆汁性肝硬変
    原因は不明で、長期に胆汁がうっ滞する肝疾患です。ミトコンドリアに対する抗体が診断の参考になります。ウルソがよく効きます。
  • 自己免疫性肝炎
    膠原病などに合併してみられることが多い肝障害で、免疫異常が原因と考えられますので状態に応じ、ステロイドの使用が考慮されます。
  • アルコール性肝障害
    多量のアルコール摂取によって起こる肝障害で、特に血中γ-GTPが上昇します。アルコールを中止すれば進行を遅らせることができますが、そのまま飲み続けると肝硬変になります。
  • 薬剤性肝障害
    一種の薬物アレルギーで、自分に合わない薬を飲んだ後に、肝機能が悪化する状態です。多くの例では、原因薬物の中止によって改善しますが、稀に肝不全まで進む例があります。最近では、健康薬品による障害が問題になっています。
  • 肝膿瘍
    肝臓に細菌などが感染して膿が溜まる病気です。針を刺して膿を体外に排出させ、抗生物質で治療します。
  • 胃食道静脈瘤
    肝硬変などによる門脈圧の上昇により、胃食道静脈瘤が発症します。内視鏡的静脈瘤硬化療法や内視鏡的静脈瘤結札術を行い、治療しています。

2.膵臓・胆嚢・胆道

  • 急性膵炎
    飲酒や胆石などが原因となり、激しい上腹部・背部痛で突然発症します。膵臓自体が有する消化酵素により自己消化され、重症例ではその影響が全身に及び多臓器不全の状態になることがあります。急性膵炎に対して特に重症急性膵炎に対しては放射線科、集中治療室とも協力し、膵酵素阻害剤・抗生剤持続動注療法および血液浄化療法などの特殊治療を含めた集中治療を行っています。
  • 慢性膵炎、膵石症
    長期間にわたる過度の飲酒によるアルコール性と、飲酒とは関係のない非アルコール性に大別されます。腹痛発作を繰り返し、次第に膵機能が低下し、膵石症となることがあります。ひどくなれば糖尿病や消化吸収障害の症状が出現することもあります。
  • 自己免疫性膵炎
    免疫機能の異常が原因と考えられる疾患で、腹痛や黄疸が初期症状となるため、減黄治療などが必要となります。 膵臓癌、胆管癌との鑑別が非常に難しく疾患ですが、ステロイド内服で治療が可能です。当科では、以前よりこの疾患に注目し、臨床研究を続けており、日本で有数の症例経験があります。
  • 膵臓癌
    膵臓に発生する癌で、腹痛、黄疸、食欲不振、体重減少などさまざまな症状で発症します。診断には腹部超音波検査やCT検査が有効です。最近では、超音波内視鏡検査による細胞検査により、確定診断を行なっています(EUS-FNA)。進行癌の場合は、QOLを十分に考慮し、内視鏡的ステント治療を行うことにより、自宅療養が可能になります。近年、有効な抗がん剤が開発され、延命効果が期待されています。
  • 膵内分泌腫瘍
    膵臓から分泌されるインスリンやグルカゴンなどのホルモンを産生する腫瘍で、良性のものと悪性のものがあります。良性のものでも分泌されるホルモンによる症状がある場合には治療が必要となります。
  • 胆嚢結石症
    胆嚢の中に結石ができる病気です。急激に上腹部の痛みや不快感が出現したり、急性胆嚢炎を合併する場合には治療を要します。結石の種類によっては内服薬により結石は消失します。無症状の場合には、腹部超音波検査などにより定期的な観察を行います。
  • 胆管結石症
    胆管内の結石により胆汁の流れが障害されることにより発症し、突然強い上腹部痛、発熱、黄疸などが出現します。最近ではほとんどの場合、内視鏡による治療で結石を取り除くことができます。
  • 胆嚢炎
    大部分は胆石症が原因です。急性胆嚢炎では右上腹部痛、右肩・右背部への放散痛、発熱、悪心などが出現し、緊急のドレナージ術や手術を要することがあります。慢性胆嚢炎は胆嚢の壁が厚くなり、腹部超音波やCT検査で胆嚢癌との区別が必要となります。
  • 胆道癌(胆嚢癌、胆管癌)
    胆嚢や胆管に発生する癌で、多くは黄疸をきっかけとして発見されます。黄疸を治療するとともに病変の進展度を正確に診断し、手術、放射線治療、薬物療法などから最も適した治療を選択します。近年、抗癌剤の適応が追加され、今後の治療に期待されています。
  • 原発性硬化性胆管炎
    胆汁の鬱滞を来す原因不明の胆管炎で、胆管が枯れ枝状になっていく病気です。徐々に進行し、肝硬変に至ります。現在は肝移植以外には、治療法は確立されていない疾患です。当診療科でも数多くの症例を経験しています。

スタッフ紹介

                                      (平成21年10月1日現在)

役 職 氏 名 専門分野
診療科部長 中沢 貴宏 消化器疾患の診断・治療。
特に肝・膵・胆道疾患の診断・治療。膵癌、胆道癌、自己免疫性膵炎、硬化性胆管炎など。
診療科副部長 野尻 俊輔 肝臓病一般、肝臓癌集学的治療、ラジオ波焼灼療法、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断と治療、肝炎、食道静脈瘤の内視鏡的治療、肝硬変の栄養療法。
  安藤 朝章 膵・胆道疾患の診断と治療。
消化器癌の化学療法。主に膵癌、胆道癌。
林 香月 膵・胆道疾患の診断、特に内視鏡診断。膵・胆道癌の内視鏡的治療。膵・胆道癌の化学療法。

その他

大学病院として、消化器病の病態の解明や、よりよい治療法を確立するため、科学的な研究にも力をいれ、年々数多くの新しい研究成果を国内外に発表しています。また、新しく開発された治療法を取り入れ、種々の臨床試験にも積極的に取り組み、これらの活動から得られる最新の情報と科学的根拠に基づいた診断と治療を行っています。

外来担当者一覧

外来診察日ならびに担当医師については、こちらをご覧ください。

 

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