感染制御室
はじめに
2009年4月より医療安全管理組織内の感染対策担当が、新たな独立部門の「感染制御室」として発足しました。構成メンバーが2名のみの、こぢんまりとした組織ながら、力を合わせて重要な任務に取り組んでいます。
感染対策の道のり
名古屋市立大学病院における感染対策は、1981年に肝炎予防対策委員会が発足したことに始まり、1986年にはAIDS対策委員会が、翌1987年には両者を統合しウイルス感染症対策委員会が発足しました。
一方、1990年にはMRSA感染対策を主な目的として院内感染対策委員会が発足、 1993年にはウイルス感染症対策委員会と統合して感染対策委員会のウイルス部会、細菌部会としてそれぞれ活動してきました。
2004年には厚労省の指針に基づき専任感染対策担当を配置し、病院長を委員長とする感染対策委員会を再編し、実働部隊としての感染対策チームを編成しました。2008年には病院機能評価への対応として医療安全管理室内に感染対策担当を配属、これにより中央部門的な活動が活発となって、このたび感染制御室として独立部門化するに至りました。
基本理念
- 患者さんとその家族、職員、委託職員、学生等、院内すべての人々を院内感染から守るための効果的予防および管理を実践します。
- 手指衛生をはじめとする標準予防対策、あるいは必要に応じて感染経路別予防策を追加し感染対策が実践できるよう、医療従事者全員に指導・教育を徹底します。
- 最新情報に基づき現行の感染対策を常に評価し改善していきます。
感染対策活動について
感染対策は、患者さんならびに職員の皆さんの安全を確保することを基本軸として、問題発生の防止や解決に向けての総合的、組織横断的な対応が求められる重要な任務です。
院内感染はヒトと微生物な多元的な関わり、つまり患者さんの易感染性や微生物の病原性など複数の因子が関与しつつ治療行為に伴って自然発生する場合が少なくありません。したがって発生した院内感染が通常範囲内での発生率なのか異常発生かを特定することは簡単ではなく、あらゆる院内感染事例を単純にインシデントやアクシデントとして捉えることもできません。
また、ひとたび院内感染が発生した場合には、事態の収拾のみならず、事例によっては病床の使用制限や病棟閉鎖、手術や救急応需の制限、停止など通常行なわれている診療業務が著しく損なわれてしまい、大学病院としての社会的役割を果たすことができなくなってしまいます。
このような事態が起こらないよう、感染制御室では、院内感染防止のための監視と啓発、感染拡大防止のための活動を行い、安全でよりよい医療を受けていただけるよう、全力投球しています。
主な活動内容
感染症サーベイランス
- 感染症発生の確認、感染経路の把握
- 院内環境の汚染状況、保菌者の把握
- 病院疫学情報の把握
コンサルテーション
- 感染症に関する相談
- 感染対策に関する相談
- 抗菌剤使用に関する相談
感染対策、予防処置、職員衛生管理
- アウトブレイク対策
- 院内感染発生防止対策
- 針刺し事故対策
- ワクチン接種
感染対策委員会、感染対策チームの運営
院内ラウンド
- Infection Control Team(ICT)メンバーで各現場の感染対策について確認
マニュアルの作成・改定・整備
啓発、教育活動
- 講習会/講演会(院内・招聘)
- 院外講演会/講習会
- 学術会議発表
院外ネットワークの構築
- 他施設、地域医療との連携
- 保健所との協議会
- 院外からのコンサルテーション